2018年(平成30年) 11月4日(日)付紙面より
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本年度の齋藤茂吉文化賞、県産業賞、県科学技術賞の贈呈式が3日、山形市の県郷土館「文翔館」で行われた。庄内関係では鶴岡市の阿部月山子さん(77)=本名・義郎、藤島俳句会長=が齋藤茂吉文化賞(文学・俳句分野)に、前田直己氏(73)=酒田市、前田製管相談役=が県産業賞にそれぞれ選ばれた。ともに贈呈式に出席し、吉村美栄子知事から表彰状を受け取った。
贈呈式には受賞者と家族、来賓、選考委員など合わせて約50人が出席。初めに文化賞、産業賞両委員会委員長の吉村知事が受賞者それぞれの功績を説明するとともに「今後とも県政発展のため一層のお力添えをお願いするとともに、ますますのご健勝を祈念する」と祝辞を述べた。選考委員が各賞の選考経過を報告した後、各受賞者に表彰状が贈られた。
受賞者代表あいさつで阿部さんは「俳句と出合ったのは1966年で50年以上続けている。今後とも“一生一句”の精神で、後世に残るような俳句を作り続けたい」、前田さんが「9月11日が誕生日で、翌12日に受賞の知らせを聞いた時に大きな誕生プレゼントを頂いたと喜んだ。今後は子どもたちに郷土の歴史を教える役目を担っていきたい」とそれぞれ述べた。
齋藤茂吉文化賞は本県の芸術、学術分野で顕著な功績を挙げた個人、団体を顕彰しようと1955年に創設された。阿部さんは荘内日報社の「庄内最上歳時記」の発起、編集委員を務めたほか、新聞俳壇の選者や俳句大会選者を数多く務め、小中学生の指導にも力を入れている。長く県俳人協会長を務め地方俳壇の指導的役割を果たした。
県産業賞は本県の産業振興、発展に寄与した個人、団体を顕彰するため1972年に創設。前田さんは1990年の県工業会設立時から理事を務め副会長、会長を歴任するなど、県内製造業界の振興発展に寄与した。また、私財を投じて公益財団法人マエタテクノロジーリサーチファンドを設立し、産業振興と研究開発、人材育成のため資金助成活動を展開するなど産業人材の育成に尽力した。