2018年(平成30年) 11月14日(水)付紙面より
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鶴岡市由良の白山島にある白山神社(神林栄孝宮司)で11日、島の頂上にある本殿修復に向けた屋根ふき替え用の銅板部材の荷揚げ作業が行われた。約2000枚の銅板でふき替えるもので、白山島を訪れる観光客らに修復事業への奉賛を呼び掛け、寄付者約120人の氏名とさまざまな願い事を板の裏面に記した。
白山神社は平安時代の806年に「加賀の国一の宮」から白山大権現を勧進し、祭ったのが始まりと伝えられる。270段の階段を上った標高72メートルにある現在の本殿はひのき造り・銅板ぶきの社殿で、135年前に建立された。長年の風雪で屋根や内部の傷みが激しくなり、同神社氏子会(会長・遠藤米太郎由良自治会長)が本年度、本格的な修復事業を進めている。
奉賛は7―10月に白山島の麓にある同神社拝殿に趣意書を記した記載台を設けて行い、銅板1枚(縦15センチ、横36センチ)3000円の寄付を呼び掛けた。県内や関東方面、仙台など隣県から訪れた人たち約120人が寄付金を奉納し、寄せられた祈願文を氏子会が銅板に油性ペンで書いた。祈願文には「家内安全」「無病息災」「世界平和」などのほか、「由良発展」「由良繁栄」といった白山神社に守られる由良地区の振興を祈る言葉もあった。
荷揚げ作業には、4月の同神社例大祭で神輿(みこし)の「海中渡御」の担ぎ手役の若衆が参加。記念に銅板に自らの氏名と願い事を書いた後、肩に何十枚もの銅板を担いで本殿までの急な階段を往復した。梅津誠崇さん(40)は「由良地区を守る白山神社の修復に参加し銅板に名を残すことができ、ありがたいこと」と話した。
氏子会の遠藤会長は「白山島を訪れた観光客から予想以上に多くの人の奉賛を頂き、驚いている」と話し、寄付者の銅板が屋根のどの位置に取り付けられたかを示す図面作製も検討している。
修復工事は11月で完成。来春にお披露目の会を予定している。修復費用は全体で650万円を見込み、地元氏子らの寄付や今回の奉賛金などで賄う。
2018年(平成30年) 11月14日(水)付紙面より
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鶴岡市の旧いこいの村庄内で植えられていたチューリップをめぐり、保全活動に取り組んできた同市大山のNPO団体が12日、近くの畑で、同NPOの抱える約3000球の球根の植栽作業を行った。
2016年に閉館した旧いこいの村のチューリップ園が放置されたままになっていたことから、地元有志やNPOおうらの里おおやま再生プロジェクトなどが翌17年から球根の掘り起こしや手入れといった保全活動を実施。全体の約3分の1となる約3万球を掘り出したものの、施設一帯を所有する県は売却の方向で動いていることから再度植え付けは断念。県などを通じて庄内や内陸の保育施設や小学校、自治会などへ配布を終え、残る約3000球は同NPOで養生している。
この日の植栽作業は、鶴岡市いきいきまちづくり事業の助成を受けて行われ、ボランティアなど合わせて約15人が参加。近隣住民からの借地約330平方メートルに肥料を加えるなどして整備し、球根をマルチシートの下に収めていった。
参加した近くに住む佐藤徳男さん(66)と妻の綾子さん(66)は「孫や遠くに住む知り合いもチューリップ園を喜んでくれていた。そのままにしておくのはもったいないと参加した」と話していた。