2018年(平成30年) 12月28日(金)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡南高と鶴岡北高を統合した上で県立中学校を併設する県教育委員会の中高一貫教育校設置案について、県教委が庄内地域5市町長に対して行った意向調査の回答が、26日に出そろった。設置される鶴岡市の皆川治市長は県教委案に賛成の意向を示し、三川町の阿部誠町長も前向きな回答をし、庄内町の原田眞樹町長は条件付きで賛成と回答した。一方で、酒田市の丸山至市長と、遊佐町の時田博機町長は反対と回答。賛否が割れる結果となった。
県教委は昨年10月、田川地区の県立高校再編整備計画の中で、2024年度までの開校を目指す併設型中高一貫校設置案を提示。その後、地元などから反対意見や慎重な対応を求める意見が出されたため、計画案に対して十分な理解が得られていないとして、当初見込んだ今年1月の定例県教育委員会での方針決定を見送る一方、関係各方面からの聞き取りとともに、庄内5市町長への意向調査を実施した。
調査項目は1庄内に中高一貫校を設置すべきか2県教委の設置案をどう思うか3設置場所を含め対案はあるか―の3項目で、今月末までの回答を依頼していた。
鶴岡市長は、設置案については「おおむね賛成」と回答。その上で▽鶴南、鶴北の伝統への十分な配慮▽校舎分離型となることでの施設・設備の工夫▽市立中学入学者数の減少や教員数の減少など懸念事項への配慮―などを求める付帯意見を添えた。
三川町長は具体的回答内容を明らかにしていないが、設置案に前向きな回答をしたという。庄内町長は、鶴岡、酒田だけでなく庄内地域の中学校や住民へ設置趣旨や具体的内容を説明し理解を深める機会を設けることを条件に賛成と回答した。
酒田市長は、庄内地域への中高一貫校設置の意義は認めたものの、設置案に対しては反対と回答した。回答の中では、庄内では鶴岡南、酒田東が進学校としてそれぞれの地域をリードして人材を輩出してきた地域風土を重視し、両校を単独校として存続させるべきとし、設置するのであれば、鶴岡南高以外を拠点とすることを求めた。
遊佐町長は「中高一貫校は私立校がやるべきで、それを県が支援する形がベスト」として庄内地域ヘの設置自体に反対。さらに「庄内全体で意見聴取する場、議論する場がなかった」と疑問を投げ掛けた。
県教委は「今後の判断の参考にする」として庄内5市町に意向調査しており、24年度までの開校スケジュール案の中で、最終的な判断が、その時期とともに注目される。