2018年(平成30年) 12月31日(月)付紙面より
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東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の障害者施設利用者がデザインしたグッズを仕入れて庄内地域で販売、それで得た収益全額を自然災害に見舞われた全国の福祉施設に贈る支援活動を展開している東北公益文科大学(酒田市、吉村昇学長)の災害復興サークル「チームmoreE」(後藤千花代表、15人)はこのほど、今年の活動実績をまとめた。グッズ販売を9回計10日間行った結果、売り上げは6万8850円、収益は1万3770円。サークルが得た収益は全額、今年8月の記録的な大雨で大規模な被害が出た戸沢村の社会福祉協議会に寄付する。
moreEは、公益大震災復興教育プロジェクトの一環で南三陸町を訪問、復興支援について理解を深めた学生が、同町の現状を広く知ってもらおうと2016年6月に設立した。
同町は南米・チリ共和国と交流があり大震災発生後、同国イースター島に立つモアイ像が贈られ、同町の障害者就労支援事業所「のぞみ福祉作業所」が販売するカップやタオルなどのグッズには、利用者がデザインしたモアイが描かれている。サークル名はモアイにちなみ、more(=もっと)に▽縁を▽援助を▽笑顔を―という願いを込めて頭文字の「E」を付けた。
3年目の今年は、のぞみ作業所の商品を仕入れ、日向コミュニティセンター(酒田市)で5月に行われた「NicoNicoマルシェ」を皮切りに、鶴岡市の南銀座夏まつり、大学祭「公翔祭」、酒田青年会議所主催「うきうき防災フェス」など9回計10日間にわたって「店開き」した。
活動実績によると、今年の売り上げは6万8850円。この他、各会場で募った浄財が1万2450円に達したという。既に上半期の売り上げのうち8割に当たる3万640円はのぞみ作業所に届け今後、下半期の売り上げも手渡す。収益全額は戸沢村社協へ、会場で寄せられた浄財は、今年7月の西日本豪雨で大規模な洪水に見舞われた岡山県倉敷市のNPO法人「岡山マインド『こころ』」に寄付する。
後藤代表、金子要副代表(いずれも2年)は「全国各地で自然災害が相次いで発生している。売上金、寄付金をただ手渡すだけでなく、炊き出し、現地の学生との交流など、サークルとして今後、さまざまな活動展開を考えていきたい」と話し、「これまでの販売活動は庄内地域のみだった。来年は内陸地域でも『店開き』できたら」と続けた。