2018年(平成30年) 7月22日(日)付紙面より
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国の文化審議会は20日、鶴岡市本町一丁目の銀座通りにある旧小池薬局恵比寿屋本店を登録有形文化財にするよう林芳正文部科学大臣に答申した。登録、告示されれば鶴岡市内の登録数は19件となる。
旧小池薬局恵比寿屋本店は、1934(昭和9)年に建てられた。鉄筋コンクリート造り地上3階、地下1階の構造。昭和初期に流行していたアールデコ様式の特徴を持った建物で、県内での初期の鉄筋コンクリート造りのビルの好例を示す建築物として評価された。
正面1階は石造風、2階以上にはタイル張りが施され、塔屋には八角形の煙突がある。当時、最先端の大型ビルで使用されていた階下へ自然光を導くための床面へのガラスブロックが一部に採用されている。地階から塔屋までをつなぐ内部階段は、床が人造石研ぎ出し、漆喰(しっくい)の腰壁に堅木の手すりが付けられ、手の込んだ造りとなっている。
軒先の中央にある円形の装飾にはタイを持つ七福神の恵比寿神の姿が施されている。戦前に家庭常備薬として人気のあった「宝丹」の特約店であったことを示す木製の大型看板も残る。
現在は市内の企業が所有しており、近年はイベント開催時に開放されるなど、観光資源として活用の可能性を探る動きもある。
2018年(平成30年) 7月22日(日)付紙面より
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今年の海水浴場開設を見送った鶴岡市の加茂レインボービーチについて、地元自治組織や県港湾事務所、市などの関係機関は、安全性確保のため、今夏の遊泳禁止を決めた。21日から8月19日まで地元住民の見回りを常駐させて対応する。
加茂レインボービーチに毎年海水浴場を設置する加茂地区自治振興会(田中正志会長)では、救護所の看護師や監視員が確保できなかったとして2002年の造成以来初となる海水浴場の開設見送りを決め、指定管理者の鶴岡市開発公社などの関係機関と遊泳の可否などを協議していた。当初は「自己責任での自由遊泳とする」としていたが、監視員がいない状況での事故発生を懸念して12日、遊泳禁止の措置を決めた。
ビーチには、「遊泳禁止」などの看板をはじめ、人工島への立ち入りを禁止するブイ付きロープを関係機関が設置。例年の海水浴のピークとなっている8月の第1週の土曜日には鶴岡警察署と酒田海上保安部、市の合同パトロールも行われる予定。
20日午後、酒田市若宮町の小林恵さん(38)は長男の凛緒君(2)に水遊びをさせに訪れた。「海の生き物に触れられる海水浴場で、子どもも喜んでくれる。まだ小さいので息子は水辺で遊ぶだけだが、泳げなくなるのを残念に思う人は多いのでは」と話した。
同自治振興会では海水浴場を開設する上で課題となった看護師の確保などについて、「市への協力を仰ぎながら来年は開設できるように動きたい」としている。