2019年(平成31年) 1月9日(水)付紙面より
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国内最大級の外国人向け日本情報サイト、ガイジンポットの「2019年に外国人が訪れるべき日本の観光地ランキングトップ10」が公表され、鶴岡市が8位に選出された。外国人ライターらの声を基にガイジンポット編集部が外国人目線で19年に注目すべき観光地を選出したもので、同市は出羽三山信仰の精神的な資源と神秘性などが評価され、即身仏や出羽三山の山伏修行や精進料理などを紹介した上で「鶴岡には不思議なところがたくさんある」と紹介している。
同サイトは主に欧米の外国人を対象に英語で日本の観光情報を発信しており、今年で開設20年。ジープラスメディア(本社・東京都港区)が運営し、月間の閲覧数が延べ約770万回に上る。北米や欧州、豪州などに在住や、出身で日本に滞在する100人以上の外国人ライターの協力で、観光やグルメ、体験、住まい、イベントなどの日本にまつわるさまざまな情報を発信している。
観光地ランキングトップ10は、外国人にあまり知られていない日本らしさを知ってもらうとともに、地域の観光振興につなげようと17年から始め、3回目。今回は▽19年に重要な発展計画があるかイベントが行われる▽ガイジンポット編集部が独自に着眼している世界の旅行・観光トレンドの一つが反映されている―などを評価基準に選出した。1位に鳥取県、2位に福岡市、3位に東京・代官山がランクされ、東北では鶴岡市のほか、6位に青森―福島県の「みちのく潮風トレイル」が入った。
鶴岡市については、「鶴岡の宝の精神的資源は観光客に見過ごされてしまうが、出羽三山は非常に神秘的であり、鶴岡の最高の魅力。日本唯一のユネスコ食文化創造都市として認定された多様な食文化だけでない、不思議なところがたくさんある」と紹介。即身仏については「神聖なものとして寺院に安置され、『生きたままの仏様』として人々に幸運と救済を与えてくれる」と解説。ギネス世界記録認定のクラゲの加茂水族館、日本さくら名所100選の鶴岡公園などとともに写真付きで紹介、「日本の過剰に混んでいる街にうんざりとしたあなたが田舎を体験したければ、鶴岡はぴったり」と呼び掛けている。
ガイジンポットの広報担当は「外国人目線で見た紹介であり、欧米の外国人から鶴岡は、即身仏や出羽三山信仰に代表されるように訪れるべきスポットとして注目されている」と話す。
フランス出身で鶴岡市の国際交流員を務めるミヨ・サラさん(25)は「鶴岡には外国人が興味を抱く資源が多くあり、トップ10入りは驚くべきことではない。これまで外国人向けの情報発信が少なかっただけで、オーストラリア出身の友人は鶴岡に観光に訪れ、『こんなに素晴らしい所なのに、外国人観光客が少ない』と嘆いていた。ガイコクジンポットは、日本在住のほとんどの外国人が見るサイトでトップ10にランクされ、鶴岡を訪れる観光客が増えると思う」と話している。