2019年(平成31年) 2月1日(金)付紙面より
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長く鶴岡市出身の絵本作家、土田義晴さんと交流し共同作品を多く発表している酒田市の県立酒田特別支援学校(早川隆校長)で学ぶ園児・児童・生徒の作品を集めた作品展「つちだよしはると子ども美術展」が、酒田市美術館(石川好館長)で開かれている。
同校の前身・酒田聾学校と土田さんの交流は1999年、当時の竹屋哲弘校長が「ぜひ会ってほしい子どもたちがいる」というメッセージを土田さんに送ったのをきっかけにスタートした。以来、土田さんは同校を訪問し絵画を指導しているほか、子どもたちが水彩絵の具やクレヨンを使用して動物や草花、人気キャラクターなど思い思いに筆を走らせた後、リクエストに応じ土田さんが絵の周囲におなじみの動物キャラクターを描くなど共同作品も多く制作している。
これらの交流を基にし土田さんは、同校をモチーフにした絵本「14の心をきいて」「ゴンタとカンタ」などを発表。いずれも障害の有無にかかわらず、人は誰でも同じ心を持ち、一人の人間として大切にされるべきということを土田さん特有の温かなタッチで描いている。
今回の作品展は、市美術館エントランスをフルに活用し、土田さんとの共同作品を含む在校生と卒業生による計34点を展示。知的障がい教育部小学部1―3年17人による大判絵「みんなで食べるとおいしいね」は館内に入って一番最初に目に飛び込んでくる作品。児童たちが貼り絵で製作したブドウやカキなどの果物を土田さんの動物キャラクターたちが「むしゃむしゃ」。また、聴覚障がい教育部の園児・児童・生徒によるステンドグラス4点は北側窓に展示。いずれも酒田の街並み、鳥海山などを「借景」に陽光を浴び、きらきらと輝いている。今回の作品展に際し、土田さんは「あの頃も、今もまっすぐに生きる子たちの日々を、感じてください」というメッセージを寄せている。
一方、同美術館市民ギャラリーでは酒田、遊佐両市町の園児・児童・生徒の作品を集めた「酒田飽海地区子ども美術展」が開かれており、絵画、立体、造形など計417点を展示している。
いずれの展示も入場無料で、2月11日(月・祝)まで=2月4日(月)休館。