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2019年(平成31年) 2月2日(土)付紙面より

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心疾患救命率向上へ

 酒田地区広域行政組合(管理者・丸山至酒田市長)は1日、高性能な「12誘導心電図」伝送装置の運用開始式を、酒田市の日本海総合病院で行った。循環器の専門医が使うものと同程度の高精度の心電図を取り、そのデータを病院に直接伝送できるもので、急性心筋梗塞が疑われる患者に対し救急隊が現場で使うことで、病院側の受け入れが迅速になり、救命率が向上すると期待されている。同組合消防本部の全10救急隊に配備され、同日正午から運用を開始した。

 12誘導心電図は、心臓周辺の10カ所に電極を貼り、電極間の組み合わせで12種の波形を捉え、心臓の状態を調べるもの。本体はスマートフォン程度の大きさで、タブレット端末とつなぎ、モバイル通信とクラウドサーバーを介し、データを病院に直接伝送できる。

 これまで同消防本部が使ってきたのは全国で一般的な「3誘導心電図」。電極は3個で、3種の波形しか捉えることができず、データも伝送できなかった。救急隊が現場で患者の心電図を取っても、病院到着後にあらためて高精度の心電図を取り直す必要があった。病院で手術などの準備をしていても、空振りになることも少なくなかったという。

 しかし、新装置の導入により、現場からのデータで医師が迅速・的確に判断できるため、時間ロスが減り、救命率が向上するとともに、空振りも減り、病院側の負担も減る。県外の導入事例では、病院到着から手術まで平均約17分間短縮されたケースもあるという。導入経費は、装置本体が1台約150万円、タブレット端末が同約6万円、10隊分で計約1560万円。そのほか、クラウドサーバー利用料など運営費が1台当たり月1万円掛かる。受け入れ側の病院は、酒田市の日本海総合病院と庄内町の庄内余目病院の2施設。

 この日の開始式には、丸山市長や日本海総合病院を運営する県・酒田市病院機構の栗谷義樹理事長、同病院の島貫隆夫院長、庄内余目病院の寺田康院長が出席。丸山市長は「日本人の死因の第2位は心疾患。早期発見と早期治療の鍵になるのがこの装置。消防・医療の連携を強め、地域住民が安心して暮らせるように」とあいさつ。来賓として、装置導入を提言した栗谷理事長は「導入の英断に感謝。広く運用され、救命率が向上するよう願っている」と述べた。

 丸山市長が、日本海総合病院内の酒田救急ワークステーションに勤務する消防本部消防第一課の松田健一課長補佐に装置を引き渡した後、西分署救急隊が装置の実演を披露した。消防本部によると、同様の装置はこれまで全国36カ所で導入され、同本部は37カ所目。県内では初。

導入された12誘導心電図。中央が本体。右が電極、左奥はタブレット端末(上)新装置の実演を披露した西分署救急隊員たち
導入された12誘導心電図。中央が本体。右が電極、左奥はタブレット端末(上)新装置の実演を披露した西分署救急隊員たち



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