2019年(平成31年) 2月15日(金)付紙面より
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鶴岡市の羽黒町観光協会は、昨年に引き続き4月下旬の大型連休から11月末まで行われる国宝・羽黒山五重塔特別拝観を記念し、羽黒山伏の正装の市松模様をあしらった出羽三山オリジナルの「山野(さんや)袋」を製作した。3月1日からいでは文化記念館で販売を始める。同観光協会の担当者は「白装束にも合う山野袋を肩から下げたスタイルで山伏修行体験や出羽三山詣でをしてもらえたら」と話している。
日本遺産「出羽三山 生まれかわりの旅」の認定などにより、インバウンド客など国内外から出羽三山を訪れ、山伏修行体験をする人が増えているという。そうした中、ペットボトルなどを持ち歩く体験者から「白装束姿でバッグやリュックを持つのも…」という声が寄せられていた。また、昨年の国宝五重塔特別拝観に訪れた観光客からは「特別拝観の記念になるものがあれば」との要望もあり、お遍路などで用いられる山野袋に羽黒山伏をイメージさせる市松模様を施し、特別拝観記念グッズとして製作した。
山野袋は2種類あり、いずれも肩掛けタイプで白装束に合わせたシンプルなデザイン。白色の布袋(30センチ×24センチ)の表側に藍色の市松模様を入れ、肩掛け部分の一部にも市松模様を施したもの(税込み1800円)と、肩掛けが無地のもの(同1500円)がある。布袋は500ミリリットルペットボトルやタオルなどが十分に入るサイズで、ファスナー付きの部分に御朱印帳やさい銭用の小銭などを入れることもできる。いずれも500個ずつ、計1000個製作した。
同観光協会では「今秋にはJR東日本のデスティネーションキャンペーンを迎える。山野袋でも出羽三山観光を盛り上げていきたい」と話している。3月1日からいでは文化記念館で販売するほか、手向地区の宿坊などでも今後取り扱う予定。問い合わせ同記念館=電0235(62)4727=へ。
2019年(平成31年) 2月15日(金)付紙面より
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酒田市雇用創造協議会(会長・丸山至市長)の新商品公開発表会が13日、市総合文化センターで開かれた。同市のレストラン・ロアジス最高顧問で、県「食の都庄内」親善大使の太田政宏さんが監修した「酒田のスープ」第2弾として「ガサエビ」と「イチゴ」の2種のスープが紹介された。
同協議会は2013年2月、市や市内の商工、農業、漁業団体などで設立。厚生労働省の実践型地域雇用創造事業の委託を受け、13―15年度と16―18年度の2期6年間、雇用創造に向けた人材育成や特産品開発などに取り組んでいる。現在の2期目の特産品開発は「酒田の食材を使用した新しいおみやげ品」をテーマに、本年度は酒かすを使ったパウンドケーキやチーズケーキ、米粉を使ったエビ餃子などこれまで6種を開発し、レシピを公開している。
「酒田のスープ」は太田さんの監修の下、地元の農水産物を使って開発した本格的なフレンチスープのシリーズで、昨年10月に第1弾として「アスパラガス」と「ニンジン」の2種を公表している。
第2弾のガサエビスープは、濃厚なうま味がある一方で鮮度落ちが早く、漁獲量も少ないため、地元消費が中心で「幻のエビ」とも呼ばれているガサエビ(クロザコエビ)を使った。太田さんが普段店で出しているフレンチスープ「ビスク」の一種で、ワタリガニを使った人気の「カニのスープ」を応用。ガサエビの濃厚なうま味を引き出した。
一方、イチゴのスープは、酒田市が県内最大のイチゴ産地であることを踏まえて開発。果物のスープは欧米ではよく作られているが、日本では珍しいこともあり、太田さんとしてもイチゴは初の挑戦。イチゴの酸味と甘味を調和させ、さっぱりとした味わいにした。
この日の発表会には、市内の飲食店や食品製造業者ら約20人が参加。スタッフから「2種とも真空パック詰めにした製品で、冷凍販売でき、パッケージデザインもそのまま使える」など説明を受けて試食。特にガサエビスープは「とてもおいしい」と好評だった。
太田さんは「庄内は土地が肥沃(ひよく)で、海もプランクトンが多く、野菜も魚介類もおいしい。シリーズでは、小さいガサエビなど、おいしいのに商品にならない規格外品の有効活用を念頭に置いた。庄内の魅力を発信できたら」と話した。
厚労省の委託事業は3月末までで、開発商品の発表は今回が最後。13年度から同協議会が開発した商品は今回の2種を含め55種となった。全てのレシピは市内の事業者らに無料で公開され、これまで多くが商品化されている。今月下旬までに全レシピをまとめたリーフレットを作り、関係者に配布するという。問い合わせは同協議会=電0234(43)1555=へ。