2019年(平成31年) 2月22日(金)付紙面より
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山形大医学部や関連病院会、県医師会などで構成する蔵王協議会(会長・嘉山孝正山形大医学部参与)は20日、鶴岡市立荘内病院(三科武院長)の要望に応え、同病院の呼吸器内科、循環器内科の2科へ医師を派遣するなど支援を行うと発表した。支援には酒田市の日本海総合病院(島貫隆夫院長)も加わり、県全体で医師不在による地域医療の崩壊を食い止める。
同日、山形市の山形大医学部で嘉山会長や三科院長、島貫院長、皆川治鶴岡市長などが出席して記者会見した。三科院長がこれまでの経過について「呼吸器内科は新潟大から2人の常勤医師を派遣してもらっていたが、同大から専門医不足などの理由で今年4月から派遣を中止すると通知があった。循環器内科も同様の理由で2020年4月から派遣が中止となる。こうした状況を踏まえ、当病院は昨夏から蔵王協議会へ医師派遣などの要望を行ってきた」と説明した。
続いて嘉山会長が「要望を受け、協議会内の山形医師適正配置委員会などで検討を重ね、支援を決定した。地域医療の崩壊が起きかけた状況で、県全体で地域医療を守ろうということになった」と語った。
呼吸器内科に対する具体的な支援は、今年4月から山形大が週1回程度、非常勤の内科医を荘内病院へ派遣し、外来で診察して治療優先順位の決定といった患者の整理を主に行う。重度の疾患を持つ患者なら日本海総合病院へ送り、軽度な場合は近隣の開業医を紹介する。一方、循環器内科は現在3人の常勤医師がいるが、派遣中止により20年4月から1人体制となる恐れがあったが、山形大から専門医2人を派遣する予定となっている。
支援の決定に皆川市長は「荘内病院は鶴岡市と周辺市町の約15万7000人を診療圏域としている。支援をもらえて多くの市民、町民の安心に対応していける。蔵王協議会の厚意に深く感謝したい」と謝辞を述べた。