2019年(平成31年) 3月9日(土)付紙面より
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県教育委員会は7日、県立高校再編整備計画(計画期間2015?24年度)の年次計画案を公表した。これまで1年ごとの公表を行なってきたが、地元自治体や関係団体の要望を受けて24年度までの計画案を一括公表した。庄内関係では、23年度以降に加茂水産、鶴岡南、酒田西の3校が1学級ずつの減となる。
県教委がこれまでに公表した20年度までの年次計画で、庄内関係は鶴岡南高山添校(普通科)が20年度で募集を停止する。また、田川地区の県立高校再編整備計画(第2次計画骨子案)に関して、庄内総合は22年度に全日制を1学級減らし、定時制・通信制を新設することが示されていた。
これに加え、今回示された24年度までの計画案では、23年度に加茂水産が現在の水産科2科(海洋技術科、海洋資源科)が1学級減となる。また、24年度には鶴岡南(普通科4学級、理数科1学級)が普通科1学級、酒田西普通科(19年度は3年が5学級、1、2年は4学級)は1学級がそれぞれ減と示された。
県教委高校改革推進室によると、「少子化に伴う入学定員割れなどの現状へ対応するとともに、1学年当たり4?8学級といった高校として望ましい規模を確保して教育の質向上と学校の活力保持を図りたい」と話している。
年次計画案は1年程度の周知や意見聴取期間を経て来年3月の県教育委員会で決定する予定。
中高一貫校で県教委 18日に5市町懇談会
県教委は7日、庄内地区に設置を検討する中高一貫教育校に関して、18日に庄内5市町の代表者との意見交換を目的とした懇談会を開催すると発表した。
7日の県議会文教公安常任委員会で、佐藤藤彌委員(酒田市・飽海郡区選出)の「先月、庄内地区で行われた第1回懇談会で教育長が『2024年度までの開校は厳しい』と認識を示した。今後、設置に向けた進め方はどうなるのか」といった質問に対し、廣瀬渉教育長は「今月13日の定例教育委員会で協議する」と答えるとともに、18日に第2回懇談会を開催することも明らかにした。懇談会の場所や開催時間は週明けにも発表される予定。
中高一貫校については、鶴岡南高と鶴岡北高を統合して県立の新中学校を併設する案を県教委が示しているが、先月12日の第1回懇談会では鶴岡市と三川町が賛成、庄内町が条件付きの賛成に対し、酒田市は「教育面だけでなくまちづくりにも影響がある。鶴岡南、鶴岡北以外を拠点としてほしい」と意見が対立した。
2019年(平成31年) 3月9日(土)付紙面より
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下水道処理に伴って発生する余熱を使ってハウス栽培したホウレンソウが7日、鶴岡市の11小中学校の学校給食で初めて提供された。資源の循環を進める取り組みの一環で、「じゅんかん育ち」と名付けられたホウレンソウに子どもたちが舌鼓を打った。
下水道資源を活用し食文化などにつなげる同市などのプロジェクト「ビストロ下水道」の取り組みの一つで、市が国土交通省の交付金などで昨年1月、市浄化センター(宝田三丁目)敷地内に広さ約260平方メートルのビニールハウスを設置。汚泥処理で発生する消化ガスを活用した発電に伴い発生する余熱を利用して、ハウス内を暖めている。同様の取り組みは他県でも見られるが、学校給食に栽培した野菜を供給するのは全国初という。
ホウレンソウは今年1月に種をまき、約10キロを収穫。この日はエノキと卵のみそ汁の具材に使い、給食メニューとして提供された。
11小中学校のうち、朝暘五小(工藤健一校長、児童361人)の4年1組の給食には、水の循環をPRする2019ミス日本「水の天使」の谷桃子さん(22)=慶應義塾大4年=が訪れ、一緒に「じゅんかん育ち」ホウレンソウを味わった。子どもたちは「おいしい」と次々とお代わりし、奥山直人君(10)は「循環を勉強してから食べたので、いつもよりおいしく感じた」と話した。
市は同規模のハウスの新設を計画しており、循環型社会に理解を深める環境教育として、学校給食向け野菜の栽培拡大を目指す。