2019年(平成31年) 4月16日(火)付紙面より
ツイート
出羽三山の門前町・鶴岡市羽黒町手向地区で13日夕、宿坊街を提灯(ちょうちん)で照らす「光の道(提灯ロード)」プロジェクトの点灯式が行われた。宿坊や民家の軒先に下げられた40基の提灯が淡い光を放つ中、山伏や地元住民が提灯ロードを練り歩いた。
門前町の歴史と文化を継承し新たな魅力を創出しようと、手向まちなみ提灯維持保全会(早坂眞一会長)と手向地区自治振興会(勝木正人会長)などがプロジェクトを企画。出羽三山神社の協力で、羽黒山の御神木を提灯の台座に利用するなど準備を進めてきた。提灯(縦約70センチ、横約45センチ)は乾電池式のLED(発光ダイオード)でともし、ぬくもりある淡いオレンジ色。
羽黒山参道入り口の随神門前で点灯式があり、早坂会長が「以前は宿坊の門に提灯をともし、秋の峰の修行を終えた山伏を出迎えていた。厳しい修行を積んだ山伏たちは、提灯の明かりを見て感激したという。日本遺産に認定された町並みの景観づくりを進め、歴史ある伝統文化を守っていこう」とあいさつ。神事の後、皆川治市長と宮野直生出羽三山神社宮司がスイッチを押し、提灯に点灯した。
引き続き住民や山伏など約60人が小型の提灯を手に地区内を練り歩き、山伏のほら貝の音が聞こえると宿坊や民家の住民も玄関先に出て、提灯の柔らかな光に包まれた宿坊街を進む行列を出迎えていた。
提灯は出羽三山神社の花祭りや八朔祭、松例祭などの行事や、大型連休、お盆の時期などに設置し、門前町の新たな魅力を創出していく。