2019年(令和1年) 5月1日(水)付紙面より
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酒田市黒森の黒森日枝神社で29日、春の例大祭が行われ、黒森小学校の子どもたちが来年2月の「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)正月公演で上演される演目「義経千本桜」の登場人物に扮(ふん)して山車に乗り、地区内を触れ回った。同歌舞伎は今年11月、ポーランドでも同演目を公演する予定で、同公演も併せてPRした。
例大祭の渡御行列として毎年実施している。今年は「義経千本桜」の「大物浦の場」をテーマに、いずれも黒森小6年の若生琉介君(11)が源義経、高橋宏太君(11)が武蔵坊弁慶、五十嵐優成君(11)が平知盛の役に扮し、同校女子の舞子、囃子(はやし)方など合わせて5台の山車に乗り、正午ごろから約4時間をかけて地区内を巡った。
この日は春らしい晴天の下、隈(くま)取りもりりしいちびっ子役者たちは神妙な表情で巡行。途中、知り合いの大人から「かっこいいぞ」などと声を掛けられると、相好を崩し笑顔で手を振っていた。
ポーランド公演は日本との国交樹立100周年を記念し、日本の約170の地芝居を代表して地区住民による「妻堂連中」(冨樫久一座長)の約40人が招かれ、11月に首都ワルシャワなどで「義経千本桜」の名場面「鳥居前」を演じる。同演目は今年8月13日にも、今年だけの夏公演として黒森日枝神社で公演。また、来年2月の正月公演は15日と17日に同神社で行われる。
2019年(令和1年) 5月1日(水)付紙面より
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「恋する灯台」に認定された鶴岡市の鼠ケ関灯台の隣に鎮座する金刀比羅神社のほこらに、地元漁業者、佐藤末次さん(80)の寄付で、真ちゅう製の鐘が設置された。「漁業者、若いアベック問わず鳴らしてもらえれば」。長年にわたる漁業安泰の感謝と、恋人の聖地を盛り上げたいとの思いが込められている。
佐藤さんは、高校卒業後に就漁。サケ、マスの遠洋漁業への従事や雇われ船頭を経て、40歳を前に独立。後に末廣水産を起こして先駆的に漁業の6次産業化にも取り組んできた。現在は、2代目となる底引き船(14トン)「第二十一末廣丸」を50代の息子に任せ、磯見漁やワカメ採りなどで過ごす。
「独立して一からスタートして、今80歳になっても海で働けるのは感謝」と地元漁業者会への寄付を提案。漁業者会で管理する金刀比羅神社ほこらに鐘の設置台を設け、船などに搭載される号鐘とともに寄付した。4月23日に設置工事が完了した。
「海一筋だったから、気の利いたことは苦手。こんなことをするばかがいてもいいあんね」と海の男らしく飾らない話しぶりで笑顔を見せた。