2019年(令和1年) 5月5日(日)付紙面より
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酒田市山谷の市平田B&G海洋センターの泉谷地ヨット・カヌー場が3日、今シーズンの営業を開始し、大勢の家族連れが新緑に囲まれた池にカヌーやボートなどで繰り出し、水上散歩を楽しんだ。
平田B&G海洋センターは1987年5月、公益財団法人「ブルーシー・アンド・グリーンランド財団」(本部・東京都)が海洋性レクリエーションの普及を図るため、同市飛鳥の体育館、プール、山谷のヨット・カヌー場(艇庫)の3施設を整備してオープン。90年11月に旧平田町に無償譲渡され、合併を経て現在は市が管理している。
このうちヨット・カヌー場は本来、山谷地区にある大町溝土地改良区の農業用ため池「新溜(しんため)」(広さ約5ヘクタール)に艇庫を整備し、毎年5―9月の日・祝日に営業してきた。しかし、昨夏に新溜の堤体が損傷し、水をためられなくなったため同年7月から、同土地改良区の農業用ため池で、新溜の北西約300メートルにある泉谷地(広さ約12ヘクタール)に臨時の桟橋を設け、艇庫からカヌーなどを運び、運営している。
今シーズン初日となった3日はオープンを記念し、午後1時から無料開放された。県内外の家族連れなどが次々に訪れ、カヌーや手こぎボート、足こぎボートなどに乗り、青く光る水面に繰り出した。晴天の下、新緑の森やヤマザクラの花に囲まれ、悠々と水上散歩を楽しんだ。
庄内町出身で、千葉県流山市で旅行業を営む大川佳子さん(40)は「カヌーに乗るのは小学生以来。子どもにもこうした体験をさせたくて連れてきた」、長男の小学2年生・碧生君(7)は「カヌーは初めて。こんなきれいな景色の中にカヌーを浮かべて乗ることができるなんて、わくわくする」と2人でペアカヌーに乗り、ゆっくりとパドルをこいでいた。
泉谷地ヨット・カヌー場は9月末までの日・祝日に営業。土曜日も予約があれば営業する。時間は午前9時―正午、午後1―4時。使用料は、半日単位で、OPヨットとカヌー、セールボードが大人420円(高校生以下210円)、ペアカヌーと手こぎボート、足こぎボートが同620円(同310円)。一人で乗船できるのは小学4年生以上。問い合わせは市平田B&G海洋センター=電0234(52)3284=へ。
2019年(令和1年) 5月5日(日)付紙面より
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遊佐町上蕨岡の鳥海山大物忌神社蕨岡口之宮の例大祭(通称・上寺祭り)が3日、境内や参道で繰り広げられた。若衆が引っ張る神の依代(よりしろ)「大御幣(だいおんべい)」が参道を練り歩き、祭り客はその勇壮さに拍手や歓声を送っていた。
約300年の歴史がある伝統の祭り。先端に太陽と月の両神を表す扇を付けた竹製で高さ4メートルほど(うるう年は約6メートル)の大御幣を若衆が威勢よく引きながら参道を練り歩いたり、よじ登ったりするなど勇壮さが特徴で、華麗な花笠舞で知られる同神社吹浦口之宮の例大祭(吹浦祭り)と対比される。
この日は午後3時すぎから地区公民館「大鳳館」の玄関先に安置された大御幣の前で獅子舞を奉納。雲ひとつない好天の中、法被姿の若衆約20人が大御幣の中央付近に綱を結び引き、神社大鳥居前までの約250メートル区間を30分ほどかけて練り歩いた。
大鳥居到着後、「三剣先(さんのけんざき)」を務めた太田勝秀さん(30)=同町上蕨岡、会社員=が大御幣によじ登って先端付近で万歳をすると、熱気は最高潮に。行楽客からは拍手と歓声が上がった。さらに若衆たちは本殿前まで大御幣を運び穴に据え、綱を持ち勢いよく旋回。地区民は五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。
太田さんは「くたびれました」と第一声。「万歳をした時はほっとした。もう少し上まで行きたかったが…」と続けた。引き続き境内の神楽殿では、県指定無形民俗文化財「蕨岡延年の舞」が奉納上演された。