2019年(令和1年) 5月18日(土)付紙面より
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酒田市の黒森小学校(船山和彦校長、児童41人)の4―6年生22人が16日、近くの赤川右岸で「県の魚・サクラマス」の幼魚約3000匹を放流した。
市と赤川漁業協同組合(黒井晃組合長)が2001年から毎年実施している。今回は、県水産振興協会内水面水産センター(遊佐町吉出)で17年秋にふ化し、体長20センチ前後(体重30―50グラム程度)に成長した幼魚を放流した。大半は降海に備えうろこが銀色(銀毛、スモルト)になったもので、残りの一部はまだ銀毛せず、体側にパーマーク(斑紋)が残るヤマメ。
子どもたちは初めに赤川漁協組合員から「今日持ってきた魚には、茶色のものと銀色のものの2種があるが、魚としては同じ種類。茶色のものは海に下らず上流に向かう。銀色のものは海に下り、1、2年後に大きくなって帰ってくる」という説明を聞いた。その後、各自が手にしたバケツに放流魚を入れてもらい、「元気に帰ってきてね」「バイバイ」などと声を掛けながら、岸辺から川に放流した。
昨年に続き2回目の放流という5年生の佐藤一輝君(10)は「サクラマスは庄内で一番有名な魚だと思う。元気に帰ってきてほしいという気持ちを込めて放流した。楽しかった」と話した。
県のデータによると、スモルト幼魚の回帰率は約1%となっている。サクラマスは庄内を中心に県内で広く春の行事食などとして親しまれ、高級感もあるとして1992年3月、「県の魚」に選定されている。