2019年(令和1年) 5月19日(日)付紙面より
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旧庄内藩校「致道館」の学風を受け継ぐ「少年少女古典素読教室」の開講式が18日、鶴岡市の致道博物館内の御隠殿で行われた。小中学生たちが8月上旬まで、「論語抄」の素読を通じて地域に息づく伝統の学風に触れる。
素読は致道館が奨励した学習法の一つで、中国古典の漢文を大きな声を出して読むのが特徴。教室は、同市が1968年度から2年間、当時の文部省の文化財愛護モデル地区に指定されたことをきっかけに始まり、半世紀を超えた。現在は市中央公民館、致道博物館、致道館文化振興会議が共催し毎年開催している。
今年は市内の小学4年から中学3年までの男女9人が受講。新規受講者は2人。受講1、2年目の「甲組」と3年目以降の「乙組」に分かれ、6月1日から7月下旬まで毎週土曜に学習。夏休み期間の7月29日―8月3日は午前5時40分から早朝素読に取り組む。
開講式には受講生と保護者、講師陣が出席。主催者側の高橋厚子中央公民館長、橋本政之致道館文化振興会議会長が「朝の40分間、声を出してすがすがしい一日のスタートにしてほしい」「教室で学んだ経験は必ず思い出として心に残る。素読を通して藩校致道館の精神を心にとどめてほしい」などと呼び掛け、それぞれあいさつ。子どもたち一人一人が「よろしくお願いします」と自己紹介した後、テキストとなる論語抄の冒頭の一節「子曰学而時習之(しのたまわく、まなんでしこうしてこれをじしゅうす)―」を保護者らも一緒に全員で素読した。
初めて受講する朝暘一小4年の板垣朋華(もか)さん(9)は「学校で素読をしてみて楽しくて、論語を夏休みの自由研究にもしてみたいと思って参加しました」と話していた。