2019年(令和1年) 5月23日(木)付紙面より
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今月25―27日に中国遼寧省大連市で開催される「2019大連アカシア祭り・中日文化観光大連交流大会」などに参加するため訪中する酒田市訪問団(団長・丸山至市長、団員7人)の結団式が21日、市役所で行われた。9月に庄内地方で開催される北前船寄港地フォーラムに大連市の関係者が訪れることから、事前に酒田の産物や観光をアピールしてくるほか、友好都市の河北省唐山市も訪れ、同市の京唐港と酒田港を結ぶ新航路の開設や医療交流などを働き掛けてくる。
北前船寄港地フォーラムの推進母体で、鉄道や航空会社などで組織する一般社団法人北前船交流拡大機構(理事長・浜田健一郎ANA総合研究所シニアフェロー)が日中友好の促進に向け、全国の北前船寄港地の関連自治体に参加を働き掛け、これに基づき訪問する。北前船関連では酒田市のほか、鶴岡市、山形県、秋田県、新潟県、長野県、岡山県、北海道石狩市、新潟県上越市、新潟市、妙高市、鹿児島県鹿児島市などの自治体が参加する。
酒田市の訪問団は丸山市長のほか、市議会の関井美喜男副議長、酒田地区医師会の本間清和顧問、日本通運酒田支店の遠藤浩文次長、同社海運事業支店事業戦略部港運グループ課の畠野淳一課長、市の竹越攻征農林水産部長、市農政課の今野紀生主査の計7人。
一行は25日、成田から大連入り。同市の要人を表敬訪問し、アカシア祭りを視察する。26日は中日文化観光交流大会・商談会を視察。27日は唐山市に行き、京唐港の訪問、同市長を表敬、28日は同市の医療機関を訪問後、北京に移動し、国営放送「中央電視台」(CCTV)を訪れ、29日に庄内に戻る。
このうち京唐港は、既に境港(鳥取県)の関係者も今年3月に航路開設の要請に出向いており、酒田市も同市と連携して航路開設を働き掛けていく方針。医療機関については、世界的に評価が高い日本の医療資源を生かし、健診に訪れる医療ツーリズムや医療スタッフの研修など、医療交流を働き掛けてくる。また、CCTVは、本間氏の人脈を通じ、農業番組で酒田を取り上げる可能性を示唆されているため、その実現を働き掛けてくる。
この日の結団式で丸山市長は「北前船寄港地としては酒田、鶴岡をアピールし、商談会では酒などを売り込んでくる。新航路はぜひ実現するよう要請。CCTVでは、中国でまだ認知度が高い『おしん』の舞台として情報発信してくる。中身の濃い成果に結び付けたい」と抱負を語った。
北前船寄港地フォーラムは2007年に第1回を酒田市で開き、昨年5月の第23回大会は大連で開催。今年9月に酒田、鶴岡両市で開かれる第27回大会には大連の行政・観光関係者約60人が訪れる予定。