2019年(令和1年) 6月14日(金)付紙面より
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鶴岡市の加茂レインボービーチ海水浴場の開設に向けて、地元自治会や市役所など関係者が救護所の看護師確保に奔走している。昨年は人員を確保できずに開設を見送っていることから、今年は開設をと臨むが、12日現在、7月20―8月18日の1カ月間の期間中全てを充足するには及んでいない。市では「期間のうち数日、半日の勤務だけでもありがたい」と看護師の有資格者を広く募っている。
加茂レインボービーチは国と県が2002年に造成した人工砂場・磯場。地元自治会では同年から、看護師、監視員の計5人態勢で海水浴場を運営してきたが、人員確保ができず昨年、初めて開設を見送った。磯場で足裏などをけがする海水浴客が多い事情から「救護所を設けずには最低限の安全確保ができない」との判断だった。その後、監視員がいない状況での事故発生を懸念し、指定管理者の鶴岡市開発公社ら関係者が遊泳禁止を決めている。
昨年を踏まえ、市でも看護師確保を図ってきたが思うような成果を得られていない。各海水浴場から寄せられた看護師派遣の要望人数は、全期間中オープンすることを想定すると、加茂が30日間延べ40人。このほか今年は三瀬が30日間延べ30人、由良も8月18日の1人。対して、協力を呼び掛けた市立荘内病院は、「いずれも土曜、日曜の8日間で延べ9人分を派遣可能」との回答だった。県内の他の医療関係機関にも働き掛けをしているという。
加茂レインボービーチ海水浴場を運営する加茂地区自治振興会の田中正志会長は12日、「磯場での生き物観察もできる絶好の海水浴場で、多くの方から開設を望む声を寄せてもらっている。土日祝日だけでも何とか開設できるよう動いていきたいが」と話した。
市役所観光物産課では、救護所の人員について、救急箱にあるものを使った擦り傷などへの処置を想定し、看護師やそれに準じる有資格者を7月10日まで募集。日当と交通費合わせて最大1万500円を支給する。問い合わせは同課=電0235(25)2111=へ。