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荘内日報ニュース


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2019年(平成31年) 6月26日(水)付け紙面より

庄内沖地震発生から1週間 ボランティアなど続々現地入り

鶴岡市 村上市 災害対策合同本部設置

 新潟県境近くの庄内沖を震源とする18日夜の地震は、25日で発生から1週間となった。被害の大きかった鶴岡市の温海地域や新潟県の被災地では、災害廃棄物の受け入れが始まり、ボランティアや自治体の応援職員が続々と現地入りするなど生活の再生に向けた復旧作業が本格化している。あつみ温泉では地震発生後に休業していた温泉旅館の営業も再開し始めた。25日からは被害の大きかった温海地域の3集落で、 罹災(りさい)証明書発行のため家屋の被害調査が始まった。鶴岡市と震度6強を観測した新潟県村上市は25日午後1時、災害対策合同本部を設置。生活再建支援の情報共有、復旧に向けた合同要望、観光振興などを実施していく。

 今回の地震は18日午後10時22分ごろ、山形県沖を震源に発生。震源の深さ約14キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)6・7と推定。鶴岡市で県内観測史上最大の震度6弱を観測したほか、酒田市と三川町で震度5弱、庄内町と遊佐町で震度4の揺れがあり、庄内から石川県にかけて津波注意報が発表された。

 鶴岡市は津波注意報を受け、沿岸地域の3705世帯、計9429人に避難指示(緊急)を発令。避難所への避難者は最大で、鶴岡市1966人、酒田市1249人、三川町5人、遊佐町30人の計3250人に上った。避難者は20日夜までにゼロになっている。

 県の24日午後1時現在のまとめによると、人的被害は鶴岡市で重傷3人、軽傷など16人がけがをしたほか、酒田市で4人、三川町と遊佐町で各1人など県内全体で重軽傷計26人。

 民家の建物被害は、全半壊は確認されていないものの、その全体像はまだ把握し切れていない状況。鶴岡市の温海地域では小岩川地区を中心に沿岸部で屋根瓦の損壊など148棟、由良、三瀬、小堅の豊浦地区で167棟の計300棟超で被害が分かっているが、調査が進めばさらに増えるとみられる。林道を含む道路の陥没や亀裂、漁港施設の段差、学校施設や文化財など多くの施設に壁の亀裂などの被害が確認されている。調査中ではあるが、農林水産被害は24日午後1時現在、庄内地域を中心に被害額8300万円に上っている。

常連客の励まし力に/屋根応急処置一段落

 あつみ温泉では、各旅館で予約キャンセルも多い中、常連客らの励ましの言葉や応援消費の動きが旅館関係者を支えている。25日現在、旅館組合に加盟する7施設のうち3施設が営業中で、残る4施設の再開は7月1日。あつみ温泉の復活や風評被害の払拭(ふっしょく)を広く訴える機会にしたい考えだ。

 22日から営業を再開した「あつみホテル温海荘」では22日までに数カ月先の予約も含め、40人分のキャンセル連絡があったものの、キャンセルと五分五分程度の新規予約があるという。ゆかりのある県外者からの手紙や菓子折りなども届き、激励も寄せられている。

 支配人で、あつみ観光協会長の若松邦彦さんは「再開できるところから順次営業を始め、風評被害の払拭へと動いたが、難しさも感じている。7月1日には日本版DMO(観光地域づくり推進法人)登録を目指す、地元関係者による一般社団法人DEGAM(デガム)の設立も控える。これを起爆剤にしたい」と話す。

 多くの家屋で瓦の落下や雨漏り被害などに見舞われた小岩川地区では、ブルーシートで屋根を覆う応急処置は一段落し、がれきの撤去など復旧が進む。本間新一自治会長は「今後の建物修繕を不安に思う住民は多い。行政支援などに関する説明会を開いていきたい」と話した。

罹災証明発行へ 住家被害調査始まる

 地震の罹災(りさい)証明発行のための「住家被害状況調査」が25日から、温海地域の被災地で始まった。27日までの3日間、被害の大きかった小岩川集落(214世帯)、大岩川浜中集落(73世帯)鼠ケ関鍋倉集落(21世帯)の全住居で、固定資産税家屋データを基に調査が実施される。

 鶴岡市職員10人に加え、県、県内11市、仙台市、岩手県盛岡市と宮古市、福島県白河市の派遣職員の計41人が10班態勢で、屋根の損傷状況など外観目視調査を行う。罹災証明交付は来月8日からの予定。

 小岩川地区では25日朝にかけて降雨があり、ブルーシートカバーの屋根から雨漏りした住居も出た。本間新一自治会長(68)は「屋根の損傷具合は雨にどれだけ対応できるかで判断できる。助ける家の順番の尺度になると、自分たちに言い聞かせている」と努めて明るく振る舞った。県外からとみられる業者が屋根修繕を強引に持ち掛ける例もあるという。本間会長は「そうした業者が入ってこないよう、有線放送で注意を呼び掛けている」と話した。

 大量の屋根瓦の撤去はまだまだ進まない。港近くの災害廃棄物仮置き場に屋根瓦を一輪車で引いてきた70代男性は「周りの協力はありがたい。ただ、今も家の周りは壊れた瓦だらけだ」と疲れた表情だった。

温泉地や酒蔵など 地震のダメージ大きく

 庄内沖を震源とした地震は温泉地や酒処などの観光資源を抱える鶴岡の地に経済的な側面でもダメージを与えている。

【大山の酒蔵】
 同市大山地区の4つの酒蔵では、酒造設備に大きな被害はなかったものの、出荷前の酒瓶が数千本単位で割れた酒蔵があり、歴史薫るたたずまいの酒蔵の木造母屋や蔵の壁が崩れ落ちるなど、江戸時代から続く酒蔵の町に深い爪痕を残した。冷蔵施設内が散乱したまま手が付けられない酒蔵もあり、被害の全容が分かるには時間がかかる。

 「大山」の加藤嘉八郎酒造では「品不足となる銘柄も出てくる可能性はある」と見通し、羽根田酒造では蔵造りの壁が崩れ落ち、屋根と壁の間に隙間ができる被害もあった。関係者は「できる範囲で出荷対応するなど、少しずつ前に進むしかない」と吐露した。

 鶴岡市は大山地区の酒蔵を含め、甚大な被害への支援の要望書を県へ提出した。出羽商工会では「各酒蔵へファンからの応援の声も届いている。新酒まつりも来年は25回記念。商工会としても支援につながる方法を考えたい」としている。

【湯野浜温泉】
 堅い岩盤に立地し地震による直接的な被害がほとんどなかった湯野浜温泉の各宿泊施設では、最初の週末を前後して地震に伴う宿泊予約のキャンセルが出ている。湯野浜旅館協同組合の関係者は「来月12日に海開きがあり海水浴シーズンに入る。地震の影響が長引かないことを願う」とした。

【くしびき観光果樹園】
 観光果樹園が多くあり、サクランボ狩りシーズンを迎えている櫛引地域では、23日に「櫛引さくらんぼまつり」があったが、イベント当日に予約していた団体客や、新潟方面の団体客などから予約キャンセルの連絡が入った。果樹園の経営者の一人は「あつみ温泉などへの宿泊の団体客が利用することもあり、そうした影響は考えられる。果物は旬があり待ってくれない。早く日常に戻ることを願う」と語った。

小岩川地区の多くの家屋屋根をブルーシートが覆う=24日正午すぎ
小岩川地区の多くの家屋屋根をブルーシートが覆う=24日正午すぎ

山形市、仙台市などの職員が合同で罹災証明のための状況調査を行った
山形市、仙台市などの職員が合同で罹災証明のための状況調査を行った



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