2019年(令和1年) 7月19日(金)付紙面より
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庄内沖を震源とする地震発生から18日で1カ月となった。震度6弱を観測した鶴岡市では、温海地域などの沿岸部を中心に家屋の屋根瓦の崩落や損壊などの被害が相次いだ。同市内の被害家屋は700棟を超え、瓦工事業者の対応が追い付かず、多くの住宅の屋根がブルーシートで覆われたままで、市全体の被害家屋の瓦工事の完了は来年までかかりそう。地震被害からの本格復興はこれからだ。
鶴岡市の16日現在のまとめによると、家屋被害は759棟に上り、うち半壊が11棟あり、全壊はない。補助金の受け付けや保険金請求などで必要になる罹災(りさい)証明書の発行は437件となっている。道路や農林水産関連施設、市有施設などを含めた被害額は概算で20億6500万円に上っている。
県と市は、瓦屋根の損害が一定規模以上の住宅について修理費の20%(上限40万円)を補助する支援策を決定。市にはこれまで325件の相談が寄せられているものの、17日までの申請件数は74件にとどまっている。
県瓦工事業組合に加盟する23業者は、屋根瓦住宅の多い庄内地域の業者のみで、このうち見積もり依頼などが鶴岡市内の業者に集中しており、実際に工事に入る段階までは至っていない状況という。こうした事態を受け市は今月初旬、同組合の幹部や建設業者らに集まってもらい、酒田地区の業者に支援を働き掛けることを申し合わせた。市建築課は「材料の瓦の製造と調達には問題がない。今後1カ月を一つのめどに瓦工事の全体像を把握して修繕へのロードマップを作り、来年2月末までには何とか完了させたい。被災者の要望にできるだけ早く応えられるよう、工事を分担して施工できるような体制づくりも検討していきたい。工事完了まで長期間となるため、劣化するブルーシートの張り替えなどへも対応していきたい」と話している。
一方、同市が現在5カ所に設けている災害ごみの仮置き場には、今も壊れた屋根瓦やコンクリートブロックなどが運び込まれており、16日現在で家具類なども含め約800立方メートルに上っている。屋根や家屋の修繕工事に伴い、破損した瓦などの搬入増加が見込まれることから、市は今月末までとしていた仮置き場設置期間を、2カ所に限定した上で延長することを決めた。1つは旧消防温海分署跡地の仮置き場で10月末まで、もう1つは大泉地区の岡山最終処分場で12月末まで受け入れる。8月以降の受け入れについては平日のみの事前予約制とする。