2019年(令和1年) 7月31日(水)付紙面より
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生命科学の研究に取り組む全国の高校生が集う「第9回高校生バイオサミットin鶴岡」が29日、鶴岡市覚岸寺の鶴岡メタボロームキャンパスで始まった。30日まで高校生たちが研究の成果や計画について発表し、31日に表彰式などが行われる。
日本の科学の次代を担う人材育成を狙いに県や市、慶應義塾大先端生命科学研究所が実行委員会を組織して2011年から毎年開催している。1次審査を経て、今年は全国85の高校・高専から生徒・学生208人(県内10校、35人)が参加。成果発表部門75点、計画発表部門32点、合わせて過去最多となる計107点が集まった。
初日の29日は成果発表部門の予選が行われ、75点がポスター発表された。冨田勝同研究所長を審査委員長に18人が発表を審査。高校生たちは4分の持ち時間の中で、研究の目的や方法、結果と考察を発表し、審査員の質問にしっかりと答えていた。同部門には庄内からは3人が参加。このうち鶴岡中央高2年の富樫遥登さん(17)は「三次元系統樹の作成」を発表。チンパンジーやゴリラなどの霊長目19個と近縁のもの1個の分子系統樹を、立体模型、3Dプリンター、AR(拡張現実)の3種類で制作し、目的や制作方法をまとめた。「系統樹は生命の進化の歴史を理解するのに有効なツールだが、平面の系統樹は複雑で見にくく分かりづらい。3次元化することで子どもたちにも親しみやすくなり、教育現場などに活用できるのではと考えた」と説明していた。
30日は同部門決勝と計画発表が行われる。