2019年(令和1年) 8月23日(金)付紙面より
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酒田市の友好都市である中国河北省唐山市への酒田産品の輸出促進に向けた訪問団結団式が22日、市役所で行われた。現地で商談がまとまれば、10月にも日本酒が20フィートコンテナ1基分(720ミリロットル入りで約6000本)の輸出が始まる可能性があるという。
唐山市は、酒田大火があった1976年に大地震に見舞われ、ともに大きな災害から復興した縁で交流が始まり、90年7月に友好都市の盟約を締結。今年は5月に丸山至市長を団長とする市使節団が経済交流促進などを狙いに訪問。商談に関心を示した「唐山神鷹科技有限公司」の楊俊来社長や同市日本事務所の関係者が今月初め、酒田を訪れ、市内の企業を視察、特に日本酒とイカ加工品に強い関心を示していた。
今回は同社との商談を詰めるため、蔵元「菊勇」の佐藤剛宏社長を団長に、イカ加工品「飛鳥フーズ」執行取締役兼関西事務所長の殷志達所長、日本通運酒田支店の遠藤浩文次長、市の関係者2人、合わせて5人が今月31日(土)―9月2日(月)の2泊3日の日程で訪問する。
神鷹科技は唐山で盛んな製鉄業の関連会社として設立され、近年は商業部門にも進出し、唐山市内で輸入品ショッピングモール3店舗を経営、取引企業が2万社を超えるという。楊社長は酒田を訪れた際、特に日本酒について「すぐコンテナ2基分欲しい」など強い関心を示し、早急な取引を希望したという。
結団式で菊勇の佐藤社長は「十数年前、外国人の日本酒の評価は低かったが、業界の努力もあっておいしくなり、近年は日本食店とともに普及。酒田港から輸出できるのはうれしい。一歩ずつ話を進めたい」と抱負。丸山市長は「さまざまな交流を進めてきたが、究極の目的はこうした経済交流。さまざまな産物に拡大し、地元経済に波及することに期待」と激励した。
菊勇では既に、英国とイタリアに年各約2000本(720ミリリットル入り)をはじめ、米国、シンガポールにも輸出している。今回希望されている6000本は同社の年間生産量の約2%に相当し、輸出ではこれまでで最大規模。県産の新酒造好適米「雪女神」などを使った銘柄「三十六人衆」シリーズを出す方針。継続的な取引になれば、契約栽培している原料米購入にも関わってくるため、今回の訪問ではそうしたことを含め商談してくるという。