2019年(令和1年) 9月17日(火)付紙面より
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酒田市の酒田港古湊埠頭(ふとう)に16日、同港としては最大規模の外国クルーズ船「MSCスプレンディダ」(パナマ船籍、13万7938総トン、通常乗客定員3274人)が初寄港し、同市の市街地は国内外の大勢の乗客でにぎわった。
同船は、MSCクルーズ(本社・スイス)のカジュアルクラスのクルーズ船で、全長333メートル、幅38メートル、高さは20階建てビル相当の67メートル。乗組員1370人を含む最大乗員は4644人。酒田港に寄港した外国クルーズ船としては、コスタ・ネオロマンチカ、ダイヤモンド・プリンセスに続き、3隻目。回数としては2017年が1回、18年が3回、今年はダイヤモンド・プリンセス3回(4、6、8月)に続き4回目。今月14日から21日まで7泊8日の日程で横浜を起点に金沢、韓国・釜山、鹿児島などを巡るコースで、酒田は最初の寄港地となった。
県インバウンド・国際交流推進課によると、乗客は約3400人でほぼ満席。うち約3割に相当する約900人が欧米豪を中心とする外国人。これまで埠頭発のタクシー不足が課題となっていたが、今回は通常の営業区域を緩和し、鶴岡市や庄内町のタクシー業者にも乗り入れてもらった。また、市が埠頭―中町間でシャトルバス12台のほか、中町から山居倉庫、土門拳記念館など4コースを巡るループバンを運行し、乗客の回遊を支援した。
中町二丁目の中町モールは午前9時ごろから、大勢の乗客が訪れ、居合抜きや甲冑着付け、高校生ボランティアによる手拭い作りの各体験、地酒の試飲などを楽しんだ。
この日は月曜日だが、敬老の日で休日。通常は金融機関が埠頭に設ける両替所を設けることができず、中町では「両替えはどこでできるか」とスタッフに尋ねる外国人が少なからずいた。酒田市の関係者によると、そうした乗客には、市が酒田光陵高やプレステージ・インターナショナルと連携して取り組んだキャッシュレス決済(周辺で使えるチケット発行)や、「クレジットカードのキャッシングならコンビニで可能」との案内で対応した。