2019年(令和1年) 10月8日(火)付紙面より
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今月1日から全国のJRグループと関係する自治体や観光関連事業者らが連携し、地域の魅力を発信しながら送客・誘客を図る国内最大規模の観光キャンペーン「新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン(DC)」が始まった。5日には、JR羽越本線で運行される新造の観光列車「海里〈KAIRI〉」のデビューに合わせ、酒田、鶴岡、新潟の各駅でオープニングイベントが繰り広げられ、DCの本番に突入。各地で観光客のおもてなしが行われ、魅力をアピールした。
今回のDCは、新潟県と庄内地域を対象エリアに12月31日までの3カ月間、「日本海美食旅(ガストロノミー)」をテーマに行われる。庄内でも「洋食」「精進料理」「酒」などさまざまなテーマの企画で誘客を図る。
海里は先月で運行を終了したジョイフルトレイン「きらきらうえつ」の後継列車で、週末と休日を中心に新潟―酒田駅間で4両編成で運行。海岸が美しい笹川流れ(新潟県村上市)では速度を落として走るほか、下りでは新潟古町花街の料亭、上りではイタリア料理「アルケッチァーノ」(鶴岡市)の奥田政行オーナーシェフ監修の料理を提供するなど、「食と景観」で鉄道の旅を楽しんでもらう。
オープニングは酒田 くす玉割り成功祈る
庄内エリアのオープニングセレモニーは5日、海里の到着に合わせ、5日午後1時から酒田駅で行われた。
酒田獅子舞振興会による演舞、羽黒山伏によるほら貝吹鳴に続き、主催者を代表して矢口明子酒田市副市長が「庄内の食は洋食や和食など多様で質が高く、都会の人も感動するはず。この地域の資源を活用し、庄内にたくさん来てもらおう」、JR東日本新潟支社の中尾規生事業部長が「グループを挙げて新潟県と庄内の魅力をアピールしている。DCが交流人口拡大と地域の活性化につながるように」とあいさつした。
引き続き、山形県や庄内各市町、商工団体、JR関係者ら11人と酒田舞娘(まいこ)2人が午後1時20分ごろ、海里がホームに滑り込んでくるのに合わせ、くす玉を割り、DCの成功や海里の順調な利用を願った。乗客や鉄道ファンは、海里の車両や乗務員、酒田舞娘などと記念撮影したり、地酒や米でできたお菓子などの試飲・試食を楽しんだ。
鶴岡では振る舞いや手ぬぐいスタンプ帳
鶴岡駅ではDEGAM鶴岡ツーリズムビューローの会員や三川町観光協会、庄内観光コンベンション協会のメンバーら約15人が、午後0時45分着の下り特急いなほ3号、同0時53分着の海里の乗客に、地酒や山ぶどうジュース、ごま豆腐などを振る舞った。
羽黒山伏のほら貝で出迎え、海里の乗客には鶴岡市が展開する誘客キャンペーン「詣でる、つかる、いただきます」に関連した「手ぬぐいスタンプ帳」をプレゼント。早速スタンプ帳に押印した埼玉県熊谷市の浅古修一郎さん(76)と佳代子さん(67)夫妻は「初めて鶴岡を訪れた。海里の食事と日本海の景色は最高だった。湯田川温泉でゆっくりと温泉に漬かりたい」と笑顔だった。
新潟駅には吉村知事 庄内の食と文化PR
JR新潟駅でのオープニングセレモニーでは吉村美栄子知事が花角英世新潟県知事と共に列席。「山形・庄内のおいしい食、文化と伝統を楽しんでください」とあいさつした。その後南口広場に場所を移し、おばこサワラを使った柿葉ずし、庄内風芋煮、庄内柿、玉こんにゃくなどが無料で振る舞われた。吉村知事はここでも庄内北前ガニの赤い縫いぐるみを持ち、新潟県民にアピール。ちょうどサッカーJ2新潟のホーム戦が行われた日で、会場(ビッグスワン)まで応援バスに乗り込む人出も多く、庄内の食を求め、30メートル以上の長蛇の列がつくられていた。
2019年(令和1年) 10月8日(火)付紙面より
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鶴岡市下川の県民の海・プール「スパール」が開設20周年を迎え6日、記念イベントが開催された。この日はプールが無料開放され、秋季としては普段の3倍に当たる372人が入場した。
大きな透明のビニール製ボールの中に入る「アクアボール」もサービスされ、子どもたちが歓声を上げた。水泳平泳ぎの五輪選手・小関也朱篤選手(27)も小さい頃学び、練習に励んだ施設。「私も幼稚園の頃から使っている。帰郷した小関選手から指導されたこともある。いつも、ここで練習しています」と小池咲蘭(さら)さん(14)=鶴岡五中2年。「夏は流れるプールが楽しいし、最高の施設です」は佐藤皐(さら)さん(12)=鶴岡一中1年。共にアクアボールを楽しんだ。
午後は「水中ポールウオーキング」が宮下充正さん(全日本ノルディック・ウォーク連盟会長、東京大名誉教授)の指導の下行われた。またフラダンス披露や早朝水中健康教室も開催された。
同日夕からは西郷コミュニティセンターに場所を移し20周年記念式典・祝賀会が行われた。
同施設のプールは2000年4月オープン。当初は年間12万人が利用したが、7年後に半減し、存亡の危機を迎えた。その後09年からNPO法人健康づくりサポート東北21(白井宗雄理事長)が指定管理者として運営している。昨年度は年間利用者が10万人超えまで戻り、小関選手を支援する会も発足させている。