2019年(令和1年) 10月11日(金)付紙面より
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鶴岡市千安京田の旧いこいの村庄内の閉館後に放置状態だったチューリップ園の一部が、同市内の住民組織や観光などの関係団体の連携で、来春に再生されることになった。12日(土)に除草や畝立てなどの作業を行い、来春の開花に向け11月9日(土)にボランティアを募るなどして球根約2万8000球を定植する。
旧いこいの村庄内は、2016年10月に閉館した。敷地内にあったチューリップ園には、県内最大規模とされた約10万球のチューリップが植え付けられ、見頃となる4月下旬からゴールデンウイークにかけ、家族連れなど県内外から毎年数万人の行楽客が訪れ、庄内の春を代表する観光スポットの一つとなっていた。
建物、敷地は県が所有。閉館後、地元有志やNPO法人おうらの里おおやま再生プロジェクトチューリップ球援隊などが17年から、球根の掘り起こしなどの保全活動を行い、県を通じて庄内や内陸の保育園や小学校、自治会などへ球根を配布した。
そうした中、鶴岡市は「市立農業経営者育成学校」の来年4月の開校に向け、県から旧いこいの村庄内の建物と敷地約10・6ヘクタールを今年3月に取得。併せて市内の関係団体との間で8月以降、意見交換会を開くなどし、取得した土地利用を検討。チューリップ園の再興を求める意見が多く、同校の開校に合わせ一部にチューリップ畑を設置することにした。
計画では、球根の保全活動を行っていた同球援隊を実施主体に、市が市民と協働で市有施設を整備する「市民まちづくり活動促進事業」のパートナーコースを活用し、新たに2万3000球の球根を購入。保管されている球根と合わせて3万球近くを約3300平方メートルの畑に定植する。
旧いこいの村庄内のチューリップ園の3分の1ほどの球根数ではあるものの、赤や白、黄色、ピンクなどのチューリップが来春には咲きそろい、再び子ども連れやカップルなど観賞に訪れる人々でにぎわいそうだ。
来春以降の球根の手入れなどチューリップ畑の維持管理に向けては、本年度内に関係者による新たな組織づくりが検討されている。