2019年(令和1年) 11月21日(木)付紙面より
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老朽化し居住困難となった空き家と土地を所有者から無償で寄付を受け、解体・整地後に若者世帯や移住希望者に住宅用地として供給する鶴岡市の「市中心市街地居住促進事業」で、市は新たに分譲地購入の補助制度を創設した。市は補助対象となる初の物件として本町二丁目の分譲地を指定し、販売を始めた。
市は2013年4月に空き家の適正管理と有効活用を目的にした空き家管理条例を施行。NPO法人「つるおかランド・バンク」と連携した空き家・空き地対策を進めている。ただ、経済的な理由から所有者が空き家の解体に踏み切れないケースが見られ、市は寄付を受けた危険な不良住宅を解体・整地し、土地の有効活用を促進する一環で、14年度から市街地居住促進事業に乗り出した。
事業は人口減少対策に位置付け、分譲地は若者、子育て、移住世帯に限って販売。これまでに4つの物件を解体・整地し分譲し、2件が売却された。
同事業に基づく分譲地は、周辺の一般的な価格より安く販売しているため、これまで土地購入に対する補助はなかった。しかし、分譲開始から一定期間経過しても購入希望者がないケースもあり、市が昨年1月に単独補助のための独自の補助金交付要綱を定めた。補助は分譲価格の10%、上限30万円とした。補助対象指定は販売開始から2年以上経過した分譲地。
補助対象第1号となったのは、本町二丁目18―6の167平方メートルの宅地で、分譲価格316万9000円。17年夏に販売を開始したものの、購入希望者がなかった。要綱上、30万円の購入補助が受けられる。また、住宅建築には一定の条件で県や市の別の補助金も活用できる。
市の独自補助制度について、市都市計画課は「より購入しやすくして中心市街地の土地利用を促進し、中心市街地の居住人口の増加につなげていきたい」と話している。