2019年(令和1年) 12月7日(土)付紙面より
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県の「知事と若者の地域創生ミーティングin酒田」が4日夕、酒田市公益研修センターで開かれ、市内の10代から40代までの男女11人が吉村美栄子知事と車座になって、地域の活性化に向けた課題やアイデアなどを語り合った。
知事が若者の声を直接聞き、若者の定住促進策など県政に生かそうと2017年度から始めた。同年度は7回、18年度は8回実施し、本年度は今回が7回目で、酒田市では初開催となった。
参加者は高校生2人や大学生1人をはじめ、結婚を機に首都圏から移住してきた幼稚園経営者、ニュージーランド出身で山伏修行など地元の魅力を発信している大学職員、芸術系の大学を卒業後に地元で見よう見まねで喫茶店経営を始めた人など、16歳から43歳まで、U・Iターン者を含め11人。丸山至市長の司会で自己紹介の後、「酒田がこうなったらいい」という活性化策や課題を語った。
参加者は「庄内の人は『地元には何もない』と言うが、庄内は日常が観光になり得る。子どもの頃から地域の魅力を伝える工夫を」「酒田の酒が世界的に高く評価され、酒米を作りたいが、酒米は主食用米の枠なので、(生産数量配分や補助金などの関係から)手を出しにくい」「若者の地元定着には、魅力ある就職先があることが重要だが、地元企業の良さが知られていない」「山形県の最低賃金はニュージーランドの半分で、びっくり。英語の案内付きの山伏修行は海外の富裕層に人気。インバウンドは訪問者数だけでなく、質も追求して所得向上を」など活発に意見を述べた。
これらに対し、吉村知事は「山形県に何もないという考えは違うと思う。何でもできることをもっとアピールしたい」「酒米の件(主食用米の枠から外すことなど)は関係部署に伝え、対策を検討したい」「東京は人口が増え、本県からも年間3000人前後が転出している。東京から戻ってきてもらう施策に力を入れたい」「最低賃金は国が都道府県別のランクを決め、本県は最低のDランク。大都市との格差が広がる一方なので、全国一律にするなど国に是正を求めている」などと応えた。