2019年(平成31年) 2月14日(木)付紙面より
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鶴岡市の県立鶴岡南高校と県立鶴岡北高校を統合した上で県立中学校を新設する県教育委員会の中高一貫教育校設置案について廣瀬渉県教育長は12日、当初予定していた2024年度までの開校は難しいとの認識を示した。この日、庄内町の響ホールで開かれた庄内5市町の代表者との懇談会で明らかにした。
設置案は17年10月、県教委が田川地区の県立高校再編整備計画の中で提示。その後、地元などから反対意見や慎重な対応を求める意見が出されたため、計画案に対して十分な理解が得られていないとして、当初見込んだ昨年1月の定例県教育委員会での方針決定を見送る一方、昨年末、庄内5市町に意向調査を実施。鶴岡市、三川町、庄内町が賛成、酒田市が反対の立場を示していた。遊佐町は庄内地域への設置自体に反対していたが、懇談会が設けられたことなどを受けて「異議を申し立てるものではない」と方針を変えた。
県教委が開催した懇談会には5市町の副市長、副町長、教育長が出席。鶴岡市は「中高一貫校の開設には重要な意義がある。できるだけ早く開設することができる環境を整備することが重要」、三川町は「今が設置する絶好の機会と捉えている」、庄内町は「庄内全域での説明や意見交換を開催することを条件に賛成」と賛成意見を述べた。酒田市は「鶴岡南高、酒田東高という進学校がある鶴岡と酒田のバランスが崩れ、教育面だけでなくまちづくりにも影響を与える。鶴岡南高、鶴岡北高以外を拠点としてほしい」と訴えた。
廣瀬教育長は「計画公表から1年半が経過し、現段階では24年度の開校はかなり厳しい」との認識を示した。県教委はこの日出された意見を整理した上で、再度意見交換の場を設けるかを含めて今後の再編整備の進め方を検討するとしている。
2019年(平成31年) 2月14日(木)付紙面より
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卒業を控えた高校3年生を対象にした「新社会人スタートセミナー」が12日から15日まで鶴岡市のマリカ市民ホールで行われ、社会人としての心構えや職場でのコミュニケーションについて学んでいる。
今春から社会人となる高校3年生の新しい生活環境への不安を軽減し、必要な知識を身に付けてもらおうと、鶴岡市と庄内地域産業振興センターが主催、県若者就職支援センターの共催で開いた。庄内地方の10校から計215人(男子114人、女子101人)が参加。12、13日の基礎講座をほとんどの生徒が受講し、13日にコミュニケーション・スキルアップ講座、14日に実践的ビジネス・接客マナー講座、15日に製造・生産現場の基礎講座が行われ、生徒それぞれが選択して受講する。
このうち12日の基礎講座は約80人が受講。キャリアカウンセラーの鈴木奈智子さんが講師を務め、企業が求める人材や職場のコミュニケーション、早期離職しないための心構え、お金の使い方などについて分かりやすく説明した。鈴木さんは企業が求める人材について、企業アンケートを基に「多くの企業がコミュニケーション能力や協調性を重要視している」と紹介し、「コミュニケーションは話して伝える、伝わっていること。目を見て耳と心で聴くこと」と説明。初出社時の心掛けについて「第一印象が大切。明るく元気にあいさつを」と呼び掛けた。
生徒たちは鈴木さんの後に続いて初出社時の自己紹介の練習を行い、会社でのケースに応じた言葉遣いなどを考えた。初めは小さな声だった生徒たちも次第にしっかりとあいさつやお辞儀ができるようになっていた。