2020年(令和2年) 1月14日(火)付紙面より
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子どもたちの健康を願う庄内町千河原の伝統行事「やや祭り」が12日、同地区の八幡神社で行われた。過去60年ないという穏やかな天候の中、上半身裸の少年たちが肩口から冷水を浴びた。
やや祭りは、安産の神様を祭る同神社の歳越祭の異称。弥生時代に在位した第15代応神天皇の皇子・大山守命(おおやまもりのみこと)が悪臣に追われたところを千河原の妊婦にかくまってもらい、「私は死んでも神となっておまえたちの身を守る。難産のときは私の名を唱えよ」と言い残した伝説が祭りの起源とされる。現在は、地元住民でつくる千河原部落会(阿部司会長)が主体となって続けている。
今年は、「生まれて61年になるが祭りで雪がないのは初めて」(阿部会長)という。6歳児から中学1年生までの同地区の内孫や外孫の男子8人が参加した。
頭には白い鉢巻きをかぶり腰にはさらしに腰みの、足にはわらじといった装いの少年たちは、呼び出しに応じて特設舞台に登壇。会場に詰め掛けた住民やアマチュアカメラマンの注目を一身に集めながら、両肩口から浴びせられる冷水を堂々と耐えていた。
佐藤志軌君(6)=庄内町余目=は、はとこの勇姿に触発されて今回初参加し、「冷たかったです」。子どもの頃に参加の機会があったものの、経験せずじまいだったという父の克則さん(40)は「よくやった」と息子以上に誇らしげだった。