2020年(令和2年) 1月15日(水)付紙面より
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鶴岡市教育委員会が地方の文化向上に尽くした人に贈る本年度の「高山樗牛賞」を受賞した、畠山カツ子さん(80)=鶴岡市若葉町=の受賞記念祝賀会が13日、同市の新茶屋で開かれた。交友のある人たちが集まり、長年にわたって俳句の創作活動を通して活躍している畠山さんの受賞をたたえ、喜び合った。
同賞は本年度で62回目。畠山さんは金山町生まれ。小学生の頃から新聞や雑誌に俳句を投句。中央では俳誌「花曜」で活躍し、同じく樗牛賞受賞者の夫の畠山弘さん主宰の俳誌「爐」を創刊から終刊まで長年にわたり俳人として、また裏方として支え続けた。自由律系で学び、「たまゆら」「三餘」など4つの句集を出版。地域の俳壇選者や県現代俳句協会副会長を務めるなど、後進の育成や地域の俳句文化の向上にも力を注いでいる。今年の荘内日報社「第33回荘日新春句歌歳時記」では弘さんに代わり俳句選者を務める。
祝賀会は地元の文芸愛好者でつくる「らくがき倶楽部」と、「爐」の会員による実行委員会が呼び掛けて開催し、畠山さんの親族を含め関係者約40人が出席した。
実行委員長の小林達夫らくがき倶楽部会長が「樗牛賞は庄内の文壇では最高の名誉ある賞。らくがき倶楽部名誉会長の弘さんとの夫婦での受賞もとても名誉なこと。カツ子先生は一筋に俳句の世界で独自の境地を開かれてきた。その胸中を察しながら、みんなで受賞をお祝いしたい」とあいさつ。県俳人協会の前会長で現在は顧問を務める阿部月山子さん、橋本政之荘内日報社長が来賓代表で祝辞を述べた。
出席者代表としてお孫さんらから花束を贈呈された畠山さんは、鶴岡俳句会への参加や県現代俳句協会の設立、これまで出会ったさまざまな人との交流に触れ、「鶴岡の人々との出会い、つながりに恵まれ、助けられてここまで来た。受賞を機に高山樗牛のことも勉強してみたい」と、感謝の言葉とともに創作活動へのさらなる思いを謝辞で語っていた。