2020年(令和2年) 1月17日(金)付紙面より
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第25回「庄内・社会基盤技術フォーラム」が15日、酒田市公益研修センターで開かれた。旧建設省酒田工事事務所(現国土交通省酒田河川国道事務所)所長時代に第1回フォーラム開催の中心となった塚田幸広さん(土木学会専務理事)の講演や、地元の産学官の技術者らによる事例発表を通じ、20年余にわたる歴史を振り返るとともに、最新技術について学んだ。
庄内地方の高校や大学、高専、鶴岡市、酒田市、国交省、東日本高速道路、県建設業協会などによる運営委員会(委員長・安中武幸山形大農学部教授)が、土木、建築、環境の各技術者の資質向上などを狙いに1999年度から年1、2回開いている。今回は約250人が参加した。
25回を記念して講師に招かれた塚田さんは「国土・インフラを築き守る土木のチカラ」と題して特別講演。月山道路そばの湯殿山スキー場の地滑り対策で奔走したことや、日本海沿岸東北自動車道(日沿道)建設促進のための夕陽ラインシンポジウムでは沿線の青年会議所が競い合うように機運を高めたなど、酒田在職時代の思い出を語った。
また、激甚化する自然災害や老朽化するインフラなどの課題を踏まえ、詳細な地理データによって災害前後の変化を把握できる「航空レーザー測量」、GIS(地理情報システム)などを駆使し道路の維持管理に必要な情報を三次元的に構築できるシステム「i―DREAMs」などの最新技術を紹介。「酒田は、東京などより大陸に近く、日本海側の方がポテンシャル(潜在能力)がある。新しい技術を積極的に取り入れ、新しい見方をすることで、可能性が広がるのでは」と呼び掛けた。
引き続き3会場に分かれ、酒田光陵高生が「ドローン撮影と画像処理」、鶴岡南高生が「生活排水などに存在する大腸菌の薬剤耐性」など、地元の産学官の関係者らが施工技術、環境、地域づくりなどに関する18題を事例発表した。