2020年(令和2年) 1月26日(日)付紙面より
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第92回選抜高等学校野球大会(3月19日開幕、阪神甲子園球場)の出場全32校を決める選考委員会が24日、大阪市内で行われ、昨秋の東北大会で準優勝した鶴岡東高校(齋藤哲校長)が一般選考枠で選ばれた。同校のセンバツ出場は鶴商学園時代を含めて41年ぶり2度目。庄内勢としては羽黒が4強入りした2005年以来となる。
24日午後3時、鶴岡東高校職員室。齋藤校長の前に電話機がセットされ、報道陣約30人も吉報の瞬間を押さえようと待機した。5分後。齋藤校長は唐突なコール音にすかさず反応、選考委員会からの鶴岡東選出の知らせに、カメラのフラッシュを浴びながら「ありがたくお受けします」と応じた。
体育館では66人の部員が整列して待っていた。齋藤校長からセンバツ出場決定が伝えられると、はにかんだような顔を互いに見交わしてざわざわ。その後は報道陣の写真撮影に応じ、喜びを爆発させた。
鈴木喬主将(17)=鶴岡二中出身=は「昨年夏の甲子園に出場した先輩たちから教わった、考える野球、一つ一つ丁寧な野球をしっかりと受け継ぎ、自分たちの野球を貫いて一戦一戦全力で戦いたい」と表情を引き締めた。
昨年夏の甲子園で、唯一2年生としてプレーし3回戦で先制点、同点打などで活躍した山路将太郎選手(17)=大阪・峰塚中出身=は「大きい舞台。自信を持つことが大事。夏よりも体重を10キロ近く増やして臨みたい」。
昨秋の東北大会で2回戦、準決勝をいずれも6回コールドで完封するなど主戦級で活躍した太田陽都選手(17)=立川中出身=は、「チームの勝利に貢献する役割を担いたい。鶴岡東の活躍で地元に笑顔を与えられたら」と意気込んだ。
1979年の鶴商学園時代のセンバツ初出場時、小学生だったという佐藤俊監督(48)は、「天理を倒した鶴商学園の野球にあこがれた。思い出がよみがえる」と感慨深げ。「しっかり準備してのぞむ。41年ぶりの夏春連続。歴史をつないできたことを生徒たちが意識して頑張ってほしい。全員に期待」と語った。
「例年同様、新チームの特徴はまだつかめていない」(佐藤監督)とするも、鶴東野球が代々目指してきたのは「総合力」。層の厚さと部員間の切磋琢磨が、攻守にわたって隙のない野球を引き上げる。
大会の組み合わせ抽選会は3月13日(金)。