2020年(令和2年) 2月7日(金)付紙面より
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酒田市の酒田東高校(五十嵐文彦校長、生徒571人)で5日、課題研究発表会が開かれ、1、2年生が探究型学習の一環で昨春から調査研究してきた成果を、ポスターやステージで発表した。
同校では2018年度、自分で見つけた課題を主体的・協働的に解決する「探究型学習」に重点を置く「探究科」(普通科探究コース)を開設。課題研究はこれを見据えて14年度から導入し、1、2年生が総合学習の時間に数人ずつのグループに分かれ、人文や自然、社会などさまざまな分野の調査研究に取り組んでいる。
この日は1、2年生約400人が参加。午前中は2年生、午後は1年生がそれぞれ成果をポスターにまとめてグループごとに発表したほか、正午前後は2年生の代表12グループと、「アントレプレナーシップ育成講座」を受講している1年生1グループの計13グループがステージ発表した。
このうちアントレプレナーシップ育成講座は、同校が18年度から市産業振興まちづくりセンター「サンロク」と連携し、起業家精神を育てるために取り組んでいるもの。この日は齋藤憧吾さんら3人が「酒田を水の都に」と題し、市民が主体的に市中心部を流れる新井田川に関心を持ちきれいにするため、草むしりをスポーツ化した「スポーツ草むしり」を提案した。
また、2年生は、英語の表現力の向上に向け、姉妹校の台湾・武陵高級中学校の取り組みを参考に単語を効果的に覚える方法を提案したり、食品ロスの改善を見据え「日持ちする弁当」をテーマにおにぎりの具材・おかずの種類と菌の繁殖との関係を実験で調べたりなど、ユニークな取り組みを発表。山形大理学部の栗山恭直教授ら県内の高等教育機関の教授陣ら審査員8人や見学の生徒が「ツナマヨのかびが増えたのは何が原因か」など質問し、活発に意見を交わした。審査で成績優秀グループが表彰された。
ステージ発表に先立つ開会式で、五十嵐校長は「不思議だと思うことを大切に。課題を掘り下げて調べるのはエネルギーが要るが、その過程で自分の知識不足などに気付き、さらに深く探ろうという意欲につながる」など、主体的な学びの大切さを訴えた。