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2020年(令和2年) 2月18日(火)付紙面より

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伊料理人来鶴 食文化を学ぶ 出羽三山精進料理や漬物の発酵文化など熱心に

 ユネスコ食文化創造都市に認定されている鶴岡市に14日、イタリア・アルバ市にある国際料理学校「ボキューズドールイタリア」のルチアーノ・トーナ代表とその教え子の6人が出羽三山の精進料理や漬物の発酵文化、日本酒の歴史などを学ぶ食文化研修のために来鶴した。

 この日、一行は市役所を表敬訪問などした後、同市のつるおか食文化市場FOODEVER(フーデバー)で「地域を豊かにする食と料理人の役割」と題して講演。市内の料理人や飲食店関係者などを対象に約40人が会場に集まり、同じ食文化都市であるアルバ市の食文化について耳を傾けていた。

 各料理人は自国での活動内容やこれまでの経歴などを自己紹介。日本の発酵文化やおもてなし文化、日本料理を自国に持ち帰り自分のレシピに組み込みたいなど、来鶴に込めた意気込みや熱意などを語った。ルチアーノさんは「何にでも学びや興味を抱くことが大事。興味がなければ楽しいことも何も見つからない」と学び取ることの重要性を説いていた。

 質疑ではイタリアの若者の郷土料理離れの有無について聴講者から質問が上がり、小規模な生産者の食材のみで全ての料理を手作りするステファニア・ロンバルディシェフは、イタリアにおいても同じ問題に直面しているとし、「私たち料理人は、どのような愛情を注いで料理を作っているのかを伝えていくのがとても重要だ」と話していた。講演後は藤島の生産者が提供した3品種の米の食べ比べなどが行われ、参加者は味の違いを確かめていた。

 同研修は、食文化教育事業を展開する「GEN Japan(ゲンジャパン)」(東京、齋藤由佳子代表)が同市から委託を受けて企画、17日まで行われた。

ルチアーノ・トーナ代表(右から4人目)とその教え子の6人ら
ルチアーノ・トーナ代表(右から4人目)とその教え子の6人ら

藤島の生産者が提供した3品種の米の食べ比べも行った
藤島の生産者が提供した3品種の米の食べ比べも行った


2020年(令和2年) 2月18日(火)付紙面より

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酒田「黒森歌舞伎」国内外からのファン魅了

 酒田市黒森地区に約280年前から伝わる伝統芸能「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)が15、17日の2日間、地区の日枝神社境内の常設演舞場で奉納上演され、国内外の伝統芸能ファンを楽しませた。来月8日(日)には同市の希望ホールで酒田公演も行われる。

 江戸・享保年間(1716―35年)に始まったといわれる。地区住民による妻堂連中(五十嵐良弥座長)が受け継ぎ、昨年11月には初の海外公演としてポーランドにも出張した。

 正月公演は屋外で鑑賞するため「雪中芝居」と呼ばれるが、今年は記録的な少雪のため15日は全く積雪がない状況。「穏やかな天候と、ポーランド公演による関心の高まりもあり、観客は例年になく多い」(関係者)と、会場は外国人を含めてほぼ満席となり、大勢の立ち見客も出た。

 妻堂連中は10年ぶりとなる演目「義経千本桜」の「伏見稲荷鳥居前の場」「摂州渡海屋の場」の2幕を演じた。「鳥居前」はポーランドでも演じたもの。義経や弁慶、静御前、佐藤忠信らなじみの役柄が登場し、大立ち回りや笑い、涙の別れと、見どころ満載の舞台に、観客は引き込まれるように見入った。

 ポーランド公演を仲介した日本文化研究家で、同国アダム・ミツキェヴィチ大准教授のイガ・ルトコフスカさんも応援に駆け付けた。本紙の取材に対し、イガさんは「ポーランド公演は大成功だった。2会場、4公演で計約1000人が日本の地域の伝統文化の雰囲気を味わうことができた」と感想。また、「日本の地芝居はプロと違い、祭りとしての要素や民俗、信仰とのつながりも深く、興味深い。ポーランドでは社会主義時代に伝統的なものが排斥され、多くが失われた。一度失われたら、復活は難しい。黒森で高校生を含め若い世代が参加しているのは素晴らしいこと。これからも大切に守り伝えていってほしい」と話した。酒田公演は正午から。入場料は前売り500円、当日700円(未就学児は無料)。問い合わせは黒森コミュニティセンター=電0234(92)2255=へ。

国内外の伝統芸能ファンを魅了した黒森歌舞伎正月公演。「義経千本桜」の「伏見稲荷鳥居前の場」より=15日午後2時ごろ、黒森日枝神社演舞場
国内外の伝統芸能ファンを魅了した黒森歌舞伎正月公演。「義経千本桜」の「伏見稲荷鳥居前の場」より=15日午後2時ごろ、黒森日枝神社演舞場



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