2020年(令和2年) 5月29日(金)付紙面より
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鶴岡市下川の名刹(めいさつ)・龍澤山善寳寺(五十嵐卓三住職)に赤色も鮮やかな大提灯が新たに納入され、27日、開灯式が行われた。本堂の正面に取り付けられたもので、大きく「龍王尊」の文字が記された。
式では新型コロナウイルスの早期終息を願ってお経が上げられた。「暗いニュースが続いたが龍神の力で皆さまに光を照らしたい。これから夏場にかけて寺の名物になってもらえればと思っている」と同寺広報。提灯内部から光を発せさせず、周囲にスポットライトを配してライトアップさせる。夜になっても山門は閉じられることなく24時間参拝できる寺だけに、夏は夕涼みがてらの参拝客へのサービスになりそうだ。
「寺のシンボルになるものを新しく作ろう」と2年ほど前から五十嵐住職が発案し、東京・浅草「雷門」の大提灯(縦3メートル90、直径3メートル30)と同じ京都・高橋提燈に発注し、今月16日到着した。縦2メートル20、直径1メートル80と雷門に比べ小ぶりだが、近くに寄ると迫力がある。全て手すきの和紙で作られた。
「龍神」はこの寺の守り神で水を呼ぶ神。航海安全、大漁祈願のため海運・漁業関係者が多く訪れることでも有名だが、提灯の裏には男女の龍神が仏の弟子となったことを示す戒名「龍道大龍王」「戒道大龍女」が記されている。