2020年(令和2年) 5月30日(土)付紙面より
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県高校野球連盟(阿部稔会長)は28日、山形市の山形工業高校で臨時常任理事会を開いた。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う第102回全国高校野球選手権大会および同山形大会の中止を受け、山形大会の代替大会について協議。県高野連主催で本県独自の大会を開催することを決定した。日程や感染症対策など詳細は6月5日の理事会ならびに大会運営委員会であらためて協議する。
この日の理事会は冒頭のみ公開され、阿部会長が「新型コロナの影響で春の選抜大会、各地の春季大会とも中止となり、今回夏の甲子園大会も中止となった。このままでは3年生が一度も公式戦を経験することなく引退となるため、これまでの練習の成果を発表できる場を模索していたところ、日本高野連から地方独自の代替大会の実施要項が示された。これを基に本県でも代替大会の在り方を検討したい」とあいさつした。
会合後に記者会見が行われ、阿部会長と菅谷明浩理事長が報道陣の質問に答えた。この中で菅谷理事長は「選手たちが積み重ねてきた努力の発表の場を用意したい。甲子園大会は中止となったが、新たな目標を持って充実した学校生活を送ってほしい思いがある。特に3年生は高校生活の区切りとして代替大会を通し、今後の進路実現や人生設計に役立ててもらえれば」と大会目的について語った。
代替大会の組み合わせやトーナメントなどの方式、応援の形態などは6月5日の理事会と大会運営委員会で協議する。日本高野連のガイドラインに沿って無観客試合となる可能性が高いという。
対戦方式など問題山積
常任理事として出席した鶴岡南・井上鉄也監督は大会開催を「3年生のためにもありがたい」と一つの前進としながら、問題が山積していることも明かした。
県と高野連の両ガイドラインに沿って開催される場合、長距離の移動と宿泊は難しく、庄内対内陸の対戦では厳しいケースも出てくる。また何試合できるか分からない状況では鶴岡東のような甲子園レベルのチームと、部員がやっとそろうような学校が初戦で対戦するのも無理がある。
会場選出から始まってトーナメントか指定試合制か、対戦カードは抽選で決めるのか、など来月5日の理事会まで“宿題”となったという。
コロナ禍が首都圏より低く推移している東北地方では、宮城県高野連の内部などから「各県の上位校が集まって交流大会を持つべきだ」という声も上がっている。
今春のセンバツ大会を中止で棒に振った鶴岡東の3年生のことを考えれば、代替大会およびその後の“東北大会”なども視野に入れて協議されることになりそうだ。