2020年(令和2年) 6月28日(日)付紙面より
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新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から今春に約40日間、臨時休館した酒田市の土門拳記念館(池田真魚館長)は、これからの「ウイズ・コロナ」「アフター・コロナ」時代における新たな発信の形の一つとして動画「ミュージアムコンサート」のオンライン配信を始めた。同記念館では「新たな時代に向け、新たな発信方法をこれからも模索していかなければ」と話している。
同記念館は毎年夏と秋の2回、ミュージアムコンサートと称し、さまざまなジャンルの音楽家が館内で演奏を披露している。企画展示に比べ、人がより密集・密接する同コンサート、子どもたちに大人気の「拳ちゃんこどもまつり」といった各種イベントの開催がコロナ禍のため中止となる中、同記念館の岸谷英雄さんが企画した。
岸谷さんの呼び掛けに応じたのが、1988年生まれと新進気鋭の打楽器奏者、會田瑞樹さん(仙台市出身、都内在住)。昨秋のミュージアムコンサートで来館し、主要展示室で演奏を披露した會田さんは今月上旬、同記念館と、所蔵されている世界的写真家、土門拳さん(酒田市名誉市民、1909―90年)の作品をイメージして2分40秒に及ぶ新曲「ヴィブラフォンのあるところ―土門拳へのオマージュ」を完成させた。この曲に岸谷さんが作成した館内を紹介するビデオクリップを重ね合わせ、26日に動画共有サイト「ユーチューブ」にアップした。
岸谷さんは「企画展はともかく、イベントは開催が困難。この動画で記念館に行ってみたいと思う人が増えたら。新しい時代の新しいイベントの在り方をこれからも考えていきたい」と話した。配信元は、會田さんのユーチューブ公式チャンネル。記念館ホームページ=http://www.domonken-kinenkan.jp/=からも入ることができる。視聴無料。問い合わせは同記念館=電0234(31)0028=へ。