2020年(令和2年) 7月2日(木)付紙面より
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出羽三山の主峰・月山(1984メートル)が1日に開山し、夏山シーズンの訪れを告げた。今年は新型コロナウイルスの影響で登山客の減少や祭事の縮小、関連施設の営業自粛など例年にない開山となったが、山の神へ祈りを捧げようと、県内外から訪れた登拝者は霧に包まれ姿を隠した遥か先の山頂を目指し、一歩ずつ歩みを進めていた。
8合目駐車場から徒歩約10分の位置にある御田原参籠所によると、同所前を通過していく登山者の数は例年と比べ8割減の大幅減少という。「こんなことは過去になかった」と肩を落とすも、「昨日宮城から訪れた人はマスクを着用したりウイルス感染対策にきちんと理解を示してくれ、とてもありがたかった」と話していた。
7年前に神子(みこ)修行に入り毎年登山に訪れているという宮城県仙台市の千葉玲鏡(れいきょう)さん(62)は「コロナが終息し、やがて世界平和につながるように山の神々にお祈りしたい」と山頂を目指していた。
新型コロナウイルス感染症対策のため、8合目の月山レストハウスは営業自粛、御田原参籠所は宿泊・食事の営業を自粛している。9合目の佛生池小屋は通常営業。1日から運行を開始している鶴岡市のエスモールバスターミナルから月山8合目までの路線バスは減便の運行となっている。