2020年(令和2年) 7月7日(火)付紙面より
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酒田市草津の鳥海高原牧場を第三セクターから引き継いだ「鳥海高原デーリィファーム」(社長・延與雄一郎ノベルズ社長)の牧場新築工事の地鎮祭・安全祈願祭が6日、現地で行われ、関係者が神前に玉串をささげて工事期間中の安全を祈願した。
市が所有している鳥海高原牧場は市の第三セクター「鳥海やわた観光」が無償貸与を受けて酪農を経営し、生乳を「鳥海高原ヨーグルト」の生産に使用。しかし、夏の暑さなどから搾乳量が安定せず、飼料価格の高騰などもあって昨年9月末で貸与契約を終了。市が牧場を活用する企業を探す中で、北海道上士幌町を拠点に牧場を経営している「ノベルズ」が手を挙げ、新会社を設立。同10月から市の有償貸与を受け、新牧場開設の準備を進めている。
広さ約25ヘクタールの鳥海高原デーリィファームは乳牛「ホルスタイン」に肉牛「黒毛和牛」の受精卵を移植、乳牛・肉牛双方を生産するノベルズ独自のシステムを用いて経営する。牧場名は社名と同じ。ホルスタイン900頭規模の経営を目指す。ノベルズは子牛の育成を担う「酒田DF育成牧場」(延与猛社長)も同時に設立し、酪農牧場とは別に、同市升田・大台野に広さ約6ヘクタールの育成牧場を設ける。
草津の新牧場敷地内で行われた地鎮祭・安全祈願祭には市やノベルズ、地域の農業関係者ら約70人が出席。延與社長、延与社長がくわ入れを行ったほか、神前に玉串をささげた。延與社長は「これまで尽力いただいた人たちに感謝。完成後は北海道で培ったノウハウを生かし、地域創生にも貢献していきたい」とあいさつした。新牧場は15日(水)に着工し、来年2月末の完成を目指す。生乳は全量をJAに販売し、鳥海やわた観光のヨーグルト生産にも使われる。