2020年(令和2年) 8月14日(金)付紙面より
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鶴岡市昭和町の金浄寺(齋藤晃伸住職)で「画家・星川富吉 画業50年の集大成」の展示が行われている。昼は食堂、夜は画業にいそしんできた、天花食堂(同市本町一丁目)を切り盛りする星川富吉さん(91)による、粒子状の顔料・岩絵の具で描かれた日本画作品を展示。会期は23日(日)まで。
美術展で星川さんの絵画を見た齋藤住職が、より多くの人に作品を見てもらおうと、近所同士でもある星川さんに声を掛けたことで展示が始まった。岩絵の具は光沢感が無く、陶器のようなマットな質感が最大の特徴で、当時スプーン1杯の分量で3000円したという高価なものだった。粒子状で粘着力がないため固着剤としてニカワを併用し、練り混ぜて使用する。乾燥までに時間がかかるため、大きいサイズの作品を完成させるまで3カ月を要したこともあったという。
展示では菖蒲やひまわり、椿などの花を中心に、ほかの絵の具では表現できない独特の重厚感で描かれた13点が並ぶ。現在は創作活動を行っていないが、星川さんは「岩絵の具は面倒なもの。だからこそ愛着が生まれ、描き続けることができた。油絵にはない魅力がある」と話す。
小さい頃から絵が好きだった星川さんは同市出身の日本画家であった伊藤喜久井さんに師事し、岩絵の具の魅力に引き付けられる。これまで白甕社美術展や新興美術院日本画新興展などの展覧会に出品し、数々の賞を受賞している。
観覧は無料で、時間は午前10時から午後4時までとなっており、会期中無休。電話での予約制となっており、問い合わせは浄土宗金浄寺=電0235(22)8203=へ。