2020年(令和2年) 11月5日(木)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡工業高等専門学校(高橋幸司校長)主催の「親子で楽しむ科学フェスタ2020」が3日、同校で開かれた。幼児から中学生の子どもと保護者ら約380人が訪れ、さまざまな実験や展示を通して科学の不思議やものづくりの楽しさに触れた。
子どもたちの「理科離れ」対策の一環で、体験型イベントとして毎年実施しており、21回目を迎えた。例年7月の夏休み前に開催しているが、今年は新型コロナウイルスの影響で可否を含めて検討し、感染拡大状況の把握のほか、少人数に分けた会場設定、事前予約制などの対策を講じて開催時期を延期して実施。10月に参加を募ったところ初日で定員に達する人気だった。同校の担当者は「コロナ禍で同様のイベントが自粛されたりしたこともあり、子どもたちが待ち望んでいたのかもしれない」と話した。
鶴岡市を中心に庄内各地から子どもたちが参加した。毎年人気のロボットアームを操作してお菓子を取る体験や、マイクロ波を使った植物の香りの抽出、ミクロの世界の乳酸菌や納豆菌の顕微鏡観察など6種類のブースが設けられ、教員や学生の説明と補助で楽しんだ。
実験では子どもたちの目がきらきらし、会場となった各教室は「何が起きるの」といったわくわく感に包まれていた。酢酸ナトリウム粉末と水、金属クリップを使った結晶化の実験では、粉末をお湯で溶かして透明になった液体を冷やした後、クリップがスイッチ役となって一瞬で白く固まることを体験。結晶化の際に熱が発生することも知り、使い捨てカイロの仕組みを学んだ。親子5人で参加した大泉小3年の野村遼介君(9)は「白く固まったり、温かくなったりしてびっくりした。とっても不思議で面白かった」と笑顔で話した。