2020年(令和2年) 11月18日(水)付紙面より
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酒田市新田産業奨励賞の授賞式が16日、同市のガーデンパレスみずほで開かれ、広く市民に愛される牛乳製造の傍ら、庄内産の生乳のみを使用した本県初の国産モッツァレラチーズも手掛けている田村牛乳(亀ケ崎五丁目、田村耕永代表取締役)、市民の食卓を彩る他、贈答用としても引き合いのある最上級のすり身を使用したかまぼこやさつま揚げを製造し続けている阿部五勇氏(中町三丁目、蒲徳商店代表)の1社1個人に丸山至市長が賞状などを贈った。
この賞は、同市名誉市民の新田嘉一平田牧場グループ会長(87)=同市楢橋=の寄付を基に、市が1990年に創設した。地域産業の振興に貢献し他の模範となっている企業・個人・団体を顕彰している。
31回目となる今年の授賞式には、市の幹部や市議会、市内の商工団体の関係者ら約50人が出席。丸山市長が式辞でそれぞれの功績を紹介した上、「このたびの受賞を契機に一層の活躍と繁栄を期待する」と述べ、田村代表取締役、阿部代表に表彰状と記念の盾などを贈った。
来賓として登壇した新田会長は「三十数年前、酒田は大火、北港開発の頓挫などでどん底だった。当時の相馬大作市長と『このままでは酒田の火が消える』と話していた。ここに生まれた人が一人でも多くの雇用をつくり、頑張らないといけないと、相馬さんから提案されて創設したのがこの賞。これに応えてくれたのが、セイコーエプソン社長を務めていた故中村恒也さん(酒田市名誉市民)。中村さんの尽力でこの地に東北エプソンが進出し、雇用を創出してくれた。ここに住むみんながその気になって頑張り、『住んで良かった』と思える酒田にしていこう」と呼び掛けた。
小松原俊市議会議長、弦巻伸酒田商工会議所会頭の祝辞に続き、受賞者を代表し田村代表取締役が「身が引き締まる思い。授賞は自社のために働いてくれる社員、商品を取引いただいている企業、市民の皆さんのおかげ。これからも自社・酒田の発展のため決意を新たに産業に尽くしていきたい」と謝辞を述べた。