2020年(令和2年) 11月20日(金)付紙面より
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新型コロナウイルス感染症の影響で花卉(かき)消費が落ち込む中、酒田市内の栽培農家、地消の一翼を担う生花店、ホテル、行政が連携し18日、地場産花卉の認知度向上に向けた方策を探ることを目的にした「花のまち酒田『華いっぱいプロジェクト』」を設立した。ウィズコロナ、アフターコロナの時代を見据え、「新しい生活様式」に対応した施策を推進し、特に地場消費の拡大を図っていく。
同市は花卉販売額が鶴岡市に次ぐ県内2位の一大産地でアルストロメリア、トルコギキョウ、ユリといった花々を通年で生産、主として大規模都市圏に流通している。しかし、産地としての認知度はあまり高くない。それに加え、コロナ禍で今春以降、卒業式や入学式といった各種式典の中止・規模縮小によって需要が激減。これに伴って取引価格も低迷。花卉農家は大きな打撃を受けている。
打開策として市は今年3月以降、市庁舎内で切り花の対面・注文販売を行ったほか、本庁舎、各支所を酒田の花で彩っている。また、結婚・出産という人生の節目を迎えた市民に対し、市内で生産された四季折々の花を贈呈する「『花のまち酒田』の花いっぱいプロジェクト」を展開した。
今回のプロジェクトは連携して酒田産花卉の生産から流通、販売までのネットワークを構築することで、地場消費の拡大・普及啓発に取り組み、認知度向上を図ることが狙い。趣旨に賛同した市内の生花店8店とそでうら、庄内みどりの両JA、ホテルリッチ&ガーデンの計11店舗・団体・社が参加した。事務局は市農林水産部。
市庁舎内で行われた同プロジェクトの設立総会では、趣意書、事業計画など承認。代表に市内で花屋「CLOVER」を経営する阿部浩さんを選任した。本年度事業としては、酒田産花卉をメーンとしたフラワーアレンジメントを行い、メディアによる展示PRを展開するともに、生産者ほ場巡り、市内施設などでの展示、結婚・出産時の花プレゼントなどを計画している。
代表となった阿部さんは就任あいさつで「生産農家、生花店が力を合わせ、まずは花の魅力を広く市民に伝えたい。そしてこの街を良くしていけたら」と述べた。