2020年(令和2年) 11月24日(火)付紙面より
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松ケ岡開墾に取り組んだ旧庄内藩士たちの心意気を受け継ぎ、次代を担う子どもたちに勇気と希望のメッセージを伝えよう―。鶴岡市羽黒町松ケ岡で21日夜、「希望の光」をテーマにした花火が打ち上げられ、国指定史跡・松ケ岡開墾場の大蚕室群を大輪の華が照らした。多くの市民が駆け付け、晩秋の夜空を彩る数々の花火に見入った。
赤川花火大会の創設に関わった同市の野口京表具店の野口淳一代表取締役が、関係者とともに9月から準備を進め、市内の約90の企業・団体の協賛を得て実現させた。新型コロナウイルス感染症の拡大で多くの祭事やイベントが中止となる中、「コロナ禍に負けないよう、市民や子どもたちに勇気を与えるメッセージを」と企画し、「松ケ岡 希望の光の会」をつくり、関係方面に働き掛けた。
花火は同日午後6時半、開墾場南側の農地から打ち上げられた。2部構成の第1部は、日本遺産「サムライゆかりのシルク」にちなみ、姫神の「風の人」の曲に合わせ養蚕を興した開墾の物語を表し、第2部は「希望の光」と題し「鬼滅の刃」の「紅蓮華」に合わせ華やかさを演出。約10分間、スターマインや5号玉など約300発を、赤川花火にも参加する秋田県大仙市の小松煙火工業が打ち上げた。
今回の松ケ岡希望の光は、来年の松ケ岡開墾150周年と2022年の庄内藩酒井家入部400年を盛り上げるもので大蚕室のライトアップも行われた。打ち上げを見守った松ケ岡開墾場の堀誠理事長は「花火の力に感動した。150周年記念の励みになる」と話した。
2020年(令和2年) 11月24日(火)付紙面より
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鶴岡市の伝統産業「シルク」をテーマにしたイベント「シルクノチカラ2020」が22日、同市の荘銀タクト鶴岡で開かれた。市内の高校生たちが、鶴岡のシルクの歴史やシルクチーフ製作などに関する課題研究を発表するとともに、鶴岡産シルクを使ったファッションショー「シルクガールズコレクション」でシルクの魅力をアピールした。
鶴岡「サムライゆかりのシルク」推進協議会(会長・皆川治市長)が昨年度に続き開いた。同市が2017年に日本遺産「サムライゆかりのシルク」に認定されたことを踏まえ、若者が伝統的な地域資源を生かし取り組む成果を紹介するもの。
前半の課題研究発表会では、鶴岡工業高定時制、同全日制、鶴岡中央高、鶴岡南高の3校の4チームが、鶴岡のシルクの歴史や養蚕の自動化、絹タンパクの抽出などについて発表。このうち鶴工全日制は創立100周年を記念し、自分たちでデザインや捺染を行いシルクチーフを製作した経緯を発表し、「ものづくりの楽しさを実感できた」とした。
後半のシルクガールズコレクションは、鶴岡中央高総合学科家政科学系列被服系の生徒が2010年度から続けているもので、11回目の今年は2、3年生29人が参加した。リーダーの齋藤琳さん(17)=3年=は冒頭、「コロナ禍で先が見通せない状況だからこそ、希望を持って前に進み、鶴岡シルクを通し世界とつながりたい」とあいさつ。学校再開(5月25日)後の7月から制作した鶴岡産シルク100%のウェディングドレス3着をはじめ、シルクを使った44着を、自分たちがモデルとなって披露、会場から惜しみない拍手が送られた。