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荘内日報ニュース


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2020年(令和2年) 2月14日(金)付紙面より

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松ケ岡開墾と絹産業解説

 鶴岡商工会議所創立90周年記念事業「鶴岡・庄内を知る講座」の最終回が12日、鶴岡市の荘内神社参集殿であり、松ケ岡開墾場前理事長の山田鉄哉さん(73)と鶴岡シルク社長の大和匡輔さん(61)が「松ケ岡の開墾と絹産業」のテーマで講話。明治維新後に旧庄内藩の侍たちが起こした絹産業の物語と、現代における鶴岡シルクの挑戦を紹介した。

 山田さんは、旧庄内藩士ら約3000人が新政府の殖産興業政策に応じる形で刀を鍬(くわ)に持ち替えて荒野を耕し、松ケ岡開墾場に日本最大の蚕室群を建設して国内最北限となる絹産地の礎をつくった歴史を解説。「明治維新後、士族反乱などの問題行動も全国にはあったようだ。鶴岡がうまくいったのは、酒井家の存在が大きかったのでは。殿様あればこそ、物心の協力があったのだろう」と語った。

 大和さんは、山田さんの講演を受けて、日本の絹産業が明治末期から昭和初期には世界トップシェアを誇りその後化学繊維の台頭などでたどった衰退を解説。「成長は終わり、後は発展」として、大手製薬企業での職を辞して鶴岡へ帰郷後に取り組んだ、未活用素材の『キビソ』に着目した新製品ブランディングによる絹産業再興を紹介。「ブランディングには、お金では買えない歴史と文化に加え、時代に合った素材や織り方が必要」と語った。

 同講座は全5回。毎回ほぼ満席となる人気シリーズで、今回は134人が聴講した。

明治維新後の旧庄内藩士が始めた鶴岡の絹産業の成長と発展について語った最終回
明治維新後の旧庄内藩士が始めた鶴岡の絹産業の成長と発展について語った最終回


2020年(令和2年) 2月14日(金)付紙面より

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月山麓でブランド牛の育成を

 鶴岡市の社会福祉法人・月山福祉会(石川一郎理事長)は障がい者施設が取り組む畜産事業として、月山麓にある庄内町放牧場(鶴岡市)でブランド牛の育成を図ることになり、事業説明会が12日、鶴岡市総合保健福祉センターにこ・ふるで行われた。

 北里大学の小笠原英毅講師(40)=同大獣医学部付属フィールドサイエンスセンター八雲農場=を招いての説明会では北海道・道南の八雲町で飼育される「北里八雲牛」のノウハウが導入されることが語られた。同福祉会はクラウドファンディングで事業資金を集めたいという。

 福祉法人が新たに始めようという畜産事業に県・市などの担当者らも加え30人が集まり、オーガニックビーフ・北里八雲牛が説明された。「庄内でも十分やれる可能性はあると思う。障害者にとって放牧される牛と接することは癒やし効果も望める。ぜひとも成功させてほしい」と小笠原講師は期待を寄せた。

 北里八雲牛は短角牛で、有機畜産から成るおいしい赤身肉が特長。1994年肉牛事業を開始以来、ブランド化が確立されている。夏は放牧オンリー、冬は自給した牧草で畜舎で育てられている。

 鶴岡市羽黒町川代にある放牧場は5年間耕作放棄となっている公共牧場で、今年4月から月山福祉会が指定管理者となる。北海道同様「夏山冬里」の方法が取られ、夏期間は牧場に生えているヒメジョオン、ヨモギ、ススキなどを食べさせ、ストレスを与えないことで、おいしい肉となるという。

 同福祉会は約70人の通所者(障害者)がおり、既に短角牛飼育を始めて9年。35頭の牛を今春、牧場に放ち、将来的には150頭規模にしたい構え。維持管理にトラクター、草刈り機、軽トラック、監視用ドローンなどが必要となり、1000万円をクラウドファンディングで集めたいという。石川理事長(77)は「舎飼いと違って、放牧主体の仕事なら、通所者でも対応できると思うし、有機畜産に向け、どうぞ多くの方に協力願いたい」と呼び掛けていた。

 17日にインターネットでクラウドファンディングが開始される。入金方法への申し込み・問い合わせは月山福祉会=電0235(24)8541=へ。

北里八雲牛の放牧風景(北里大学HPから)
北里八雲牛の放牧風景(北里大学HPから)

小笠原講師がブランド化されている北里八雲牛を説明した
小笠原講師がブランド化されている北里八雲牛を説明した



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