2021年(令和3年) 4月20日(火)付紙面より
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鶴岡青年会議所(JC、五十嵐由浩理事長)の公開例会を兼ねたフォーラム「ローカルSDGs―ゼロカーボンシティへの開花」が17日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で開かれ、内外の関係者による講演などを通じ、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出を抑える「脱炭素」の社会や経済の在り方を考えた。また、同市の皆川治市長は席上、「2050年までCO2の排出量を実質ゼロにする『ゼロカーボンシティ』に挑戦する」と宣言した。
SDGs(国連の持続可能な開発目標)の17の目標のうち「気候変動」に焦点を当て、地球温暖化を防ぐ脱炭素の取り組みを地域レベルで実践しようと、同JCのSDGs推進委員会(白幡徳明委員長)が企画。約100人が参加した。
初めに環境省環境経済課環境金融推進室の近藤崇史室長が「ESG金融と地域の活性化」、街づくり会社「ヤマガタデザイン」(鶴岡市)の山中大介代表取締役が「街づくり事業でSDGs・脱炭素の実現へ」と題してそれぞれ基調講演した。
このうち近藤さんは「経済は環境や社会を土台に成り立っており、対立はしない。経済の血流は金融。金融を変えれば経済は変わる」と、地域のお金が外に出ないようにする地域循環共生圏の重要性を指摘。「地域の脱炭素のためESG(環境、社会、企業統治)の流れを踏まえた地域の金融が重要になる」とした。
山中さんは地域の自立的な発展に向け、環境を生かした宿泊施設や創造性を育てる教育施設、市立農業経営者育成学校SEADSの運営などに携わっていることを紹介。「お金は幸福になるための手段であって目的ではない。どのような社会を実現したいかという思いが重要で、庄内をモデルに日本を変えたい」とした。
続いて講師2人と皆川市長が五十嵐理事長の司会でクロストーク。「グリーン(環境に優しいこと)は経済性と連動している」(近藤さん)、「有機農業はSDGsと経済を両立させる」(山中さん)など意見を述べた。
終了後、皆川市長が「ゼロカーボンシティ宣言」を行い、五十嵐理事長が同JCも市と連携して推進するという宣言文を読み上げた。
市環境課によると、具体的な行動計画は、本年度中に策定する第2次市環境基本計画の中で示す。市と連携してSDGsを推進する「パートナー企業」の登録制度などを想定している。