2021年(令和3年) 8月25日(水)付紙面より
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「第11回高校生バイオサミットin鶴岡」の決勝が23、24の両日、鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所を拠点に行われた。例年、同市内に全国から高校生が集まって開催されているが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、昨年に続きオンライン形式で実施。23日の成果発表部門、24日の計画発表部門には、地元庄内地域の高校生が登場し、堂々と研究への取り組みを発表した。
先端研と県、鶴岡市が実行委員会をつくり、2011年から毎年夏に開催。今回は8月11日に1回戦が行われ、書類審査を通った全国23都道府県の高校・高専の生徒・学生258人の研究116点を対象にオンラインで実施。研究点数は過去最多となり、成果発表部門20点、計画発表部門15点が決勝に進んだ。
初日の23日は成果発表部門の決勝が行われ、このうち酒田東高3年の菅原さくらさんは、特別研究生となっている慶應先端研のバイオラボ棟で、「プラスチックを分解する海洋微生物の探索」をテーマに発表。海洋プラスチックごみ問題の解決を着眼点に、プラスチックを効率よく分解する微生物の探索に向け実験に取り組んだことを述べた。菅原さんは「とても緊張しました。審査員の指摘や他の高校生の発表から新たな視点が得られ、自分ももっと研究したいという意欲が高まりました」と話していた。
24日は計画発表部門の決勝で、慶應先端研の特別研究生で鶴岡北高2年の坂本夏菜さんが「外来沈水植物と在来沈水植物の環境特性の差について?オオカナダモとクロモの様々な比較?」のテーマで発表した。決勝はいずれも4分間の発表と6分間の質疑で行われた。25日午後に審査結果が公表される。
2021年(令和3年) 8月25日(水)付紙面より
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酒田市特産の和ナシ「刈屋梨」の産地・刈屋地区で24日、主力品種「幸水」の収穫が始まった。生産者によると、春先の降霜などの影響で収穫量は減少するものの、糖度は十分という。
刈屋地区では明治初期からナシの栽培が行われている。現在は約40戸の栽培農家が、そばを流れる荒瀬川河川敷を中心に和ナシの「幸水」「豊水」、洋ナシの「ラ・フランス」など栽培、共同出荷している。栽培に適した土壌と農家の努力が実を結び「刈屋梨」はブランドとして定着。地場消費だけでなく、贈答用としての引き合いも多い。
ナシを手掛けて120年余という地区内の梨園「三浦八右エ門」では、幸水を筆頭に6種類の和ナシを生産、全国的に生産量が少なく幻のナシと言われる「秀玉」も扱っているという。4代目の三浦雅明さんは「味は例年通り良いものができたが、昨年の長雨で花芽が少ない上に、花粉交配時期の降霜で着果数が少ない。全体で3―4割減になりそう」と話し、「収穫量が減り、お客さまに迷惑をかけることが心配」と続けた。
幸水の収穫は来月中旬まで、その後、甘味と酸味のバランスが良い豊水が続く。