2021年(令和3年) 1月21日(木)付紙面より
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2月下旬をめどに、新型コロナウイルスのワクチン接種を開始する方針を政府が打ち出したことに関連し県は19日、県新型コロナワクチン接種総合本部を設置した。県は今後、迅速かつ適切にワクチン接種を行うため執行計画の作成や接種医療機関の確保を進める。 同日県庁で開かれた県新型コロナウイルス感染症に係る危機対策本部の第20回本部員会議で接種総合本部の設置を決定した。ワクチン接種は予防接種法に基づき、厚生労働大臣の指示の下で都道府県の協力により市町村が実施する。県は接種施設(医療機関)の確保や、接種対象者の特定・予定者数の把握などを行いながら執行計画を作成するとともに、医師会や医療機関、市町村と連携して接種体制を整備する。
具体的なスケジュールは、来月中旬まで執行計画を作成し国へ報告。接種医療機関の確保は今月下旬から進める。医療従事者(保健所職員や救急隊員などを含む)約3万人の優先接種(3月上旬)に向けて関係機関と調整を進めるとともに、地域卸販売者の決定などワクチン流通の調整も行う。
3月下旬には高齢者(65歳以上)の接種開始を目指している。以降の優先順位は基礎疾患を持つ人(高齢者以外)、高齢者施設等の従事者、その他の県民の順番となっているが、基礎疾患を持つ人以降の具体的なスケジュールは未定。県健康福祉部によると県内の高齢者は約35万人で、政府が調整を進めている接種対象の16歳以上は県内で約94万人に上るという。
3月下旬以降で市町村が行う業務は▽医療機関との委託契約(1月中旬以降)や接種費用の支払い▽住民への接種勧奨、予診票などの個別通知▽接種手続きに関する一般的相談対応▽健康被害救済の申請受け付け・給付―など。
県は接種総合本部に加え、健康福祉部やみらい企画創造部などによる実施本部(本部長・玉木康雄健康福祉部長)を設置し、執行計画の作成や流通調整、相談体制の確保などワクチンに関する総合的な取り組みを担当する課を新設するため調整している。また、各総合支庁長などを支部長とする地域支部も設置する。
県健康福祉部は「接種対象人数が多くなると予想しており、相当なビッグプロジェクトになる。ワクチンの種類によってはマイナス70度の冷凍庫で保管する必要があり、解凍後は5日以内に接種しなければならないため、保管拠点の医療機関を定めることになる」と話した。