2021年(令和3年) 2月25日(木)付紙面より
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鶴岡地区雇用対策協議会(上野雅史会長)など主催の「高校生の地域雇用を考える懇談会」が22日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で開かれ、地区内の各高校などの進路担当者と企業の社長や採用担当者らが、高卒者の地元就職促進について意見交換した。
懇談会には学校側から7校8人、企業側から製造業や建設業、サービス業、福祉、金融業など26社が参加したほか、同協議会を構成する鶴岡公共職業安定所、鶴岡、三川2市町、鶴岡商工会議所の関係者が出席した。
鶴岡職安の菊地喜好所長が本年度の管内の高卒者の就職内定状況を説明。昨年12月末現在で就職希望者396人のうち376人が内定し、希望者全体に対する県内就職内定者の割合、いわゆる地元定着率は74・2%に上り、前年度最終結果を約5ポイント上回っており、「コロナ禍もあってか、地元定着率が伸びている」とした。
高校側からは「保護者の意向が強かったのか、例年より地元就職希望者が多かった」「コロナ禍で採用試験が1カ月遅れの10月16日開始となったが、影響はほとんどなかった」といった報告があった。一方で、コロナ禍で企業活動が不透明となる中、現在の高校2年の就職希望者は来年度の地元企業の採用枠に対する不安感も出ているとした。
企業側の多くは本年度並みの採用見込みであることを示し、中には新規事業計画や定年退職者の増加などから「高卒新規と中途を合わせ採用数を倍増したい」といった企業もあった。ただ、「求人票を出しても1人も応募がなかった」とした企業も複数あり、「社名だけでは業務内容が伝わらない。企業も魅力発信に努めるが、地元のさまざまな会社を高校生にアピールする場をもっと増やしてほしい」「企業見学後に応募を取りやめる生徒もいるが、その理由を企業にフィードバックしてもらえば、会社としても今後の参考になる」などの意見や要望も出された。
上野会長はあいさつの中で、「コロナ禍にあっても鶴岡地区の高卒求人倍率は2・4倍と高く、企業にとって人材確保は難しい状況が続いている。少子化により、高校卒業者数は現在の約1500人から10年後には1000人程度に減り、さらに働き手の人材確保は厳しくなる。1人でも多く地元で活躍できる状況にしていきたい」と述べた。