2021年(令和3年) 4月15日(木)付紙面より
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東北公益文科大の学生たちが13日、鶴岡市堅苔沢の小堅コミュニティセンター(旧小堅小)で、小堅地区自治振興会が同センター2階に開設する「シェアルーム」の活用策について、これまで調べた地区の課題を踏まえ、「公設民営型のミニスーパー開設を」「映画の放映室に」「大人も利用できる児童館を」など提言した。
2020年度後期の授業「課題挑戦型インターンシップ」の一環。本来は学生が企業で就業体験するものだが、新型コロナの影響を踏まえ、学生が地域や組織の課題解決に取り組む内容とした。学生173人が5人前後の39チームに分かれ、18テーマの課題に取り組んだ。
このうち小堅自治振興会が投げ掛けた課題は、これから市の補助を受けて改修する「シェアルーム(旧教室2室と和室1室)の活用」。学生23人が5チームに分かれ、各2、3回、小堅地区を訪問して人口減少や若者の流出、商店の閉鎖など地域の現状や課題を調べ、提言をまとめた。
この日の発表会には、自治振興会の本間仁一会長ら住民5人も参加。学生5チームが鎌田剛准教授の指導の下、「カフェを開設し、子どもの居場所や住民の交流の場にしては」「公設民営型のミニスーパーにし、地元スーパーや農家などから仕入れた物の販売を」「放映室にし、著作権の切れた映画を週1回、放映しては」「幼児の預かり保育を行い、子育て支援が手厚い地区としてアピールを」「放課後に遊べる児童館にし、読書や勉強、アナログゲーム、漫画部屋を」など提言した。
住民が「ミニスーパーの県外の事例はうまくいっているのか」「映画を上映しない時、部屋は使わないのか」など質問し、活発に意見を交わした。
閉会に当たり、自治振興会の本間会長は「参考になった。人が自然に集まり、楽しめる場づくりの参考にしたい」、小林隆広事務局長は「今後も地区に関わってほしい」と感謝や期待を述べた。預かり保育を提言した2年生の佐々木啓人さん(19)=秋田県大仙市出身=は「地域課題を知るには2、3回のフィールドワークだけでは不十分で、もっと懐に入らないと駄目だと感じた。今後も小堅に関わっていきたい」と話した。
同振興会では学生の提言を参考に、活用策をまとめる。また、大学では教員や学生の投票で全39チームから優秀作を選び今月下旬、発表会を行う予定。